国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展が中止された問題を受け、表現の自由について考える公開フォーラムが21日、名古屋市内で開かれた。出展作家や一般参加者から「一日も早く再開を」「作品を実際に見て考える機会を奪わないでほしい」といった声が相次いだ。
芸術祭では、従軍慰安婦を象徴する少女像などを展示した「表現の不自由展・その後」に批判や抗議が殺到し、企画展が開幕3日で中止に追い込まれた。
フォーラムでは大村秀章知事が「テロの犯行予告もあり中止した。10月14日の会期まで多くの人が安全安心に楽しんでもらうよう努めたい」とあいさつ。その後、主催者である県の有識者検証委員会が中止に至る経緯や論点などを説明した。
意見交換では、出展作家や一般参加者から「作品に触れずに批判するのは問題」「実際に見て何が問題かを自分で考えることが重要で、考える機会を奪ってはいけない」として再開を求める声が上がったほか、「美術館は多様性を重視すべきだ」といった意見が出された。