妻を殺害し遺体を遺棄したとして殺人と死体遺棄の罪に問われた岩手県平泉町平泉、無職千葉祐介被告(37)に対する裁判員裁判の初公判が24日、盛岡地裁(加藤亮裁判長)で開かれ、千葉被告は起訴事実を認めた。
起訴状によると、千葉被告は2019年5月31日、一関市萩荘の当時の自宅で、医療事務員の妻・恵さん(当時36歳)の首を延長コードで絞めて窒息死させ、同年7月2日に遺体を車で運び、奥州市前沢生母の山林に遺棄したとされる。
千葉被告は坊主頭でグレーのシャツを着て姿を見せた。被告人席に座る前に傍聴席に向かって一礼。裁判長から名前を聞かれると、震える声で小さく「千葉祐介です」と答えた。起訴事実について弁解したい点があるか問われ、一呼吸置いて「ありません」と告げた。
検察側は冒頭陳述で、千葉被告が消費者金融で借金をしたことや、てんかんを発症して車を運転できなくなったことなどを恵さんに責められて不満を募らせていたとして、「犯行に至る経緯は身勝手で、
真摯
( しんし ) に反省しているとは言えない」と指摘。証拠調べ手続きで、恵さんの遺体は布団カバーなどに包まれて、1か月余りにわたり自宅クローゼットに置かれていたと明らかにした。また、恵さんの殺害から約1か月がたった7月1日に死臭が自宅玄関まで漂い始め、「そろそろ捨てないと」と遺体の遺棄を決意し、翌2日未明に遺体を運び出し、車で遺棄現場まで運んだとした。
公判は25、26日も被告人質問や証人尋問が行われ、27日に結審し、6月1日に判決が言い渡される予定。
初公判では、夫婦仲が悪くなるなかで、千葉被告が恵さんに恨みを募らせていった経緯が明らかにされた。
千葉被告は長男が生まれた後、恵さんが長男の子育てを優先させるのに不満を募らせていったが、弁護側によると、恵さんが「別の男性と結婚すればよかった」という趣旨の内容を日記に記しているのを見つけ、ショックを受けた。
19年5月5日、生活費を借金で賄っていたことを恵さんに追及され、「人間のくず」などとののしられた。同31日、車を運転できないこと、家事・育児をしないことなどの不満を恵さんから示され、「いなくなれば楽になる」と考えて殺害した。
千葉被告が恵さん殺害後に偽装工作として恵さんあてに送ったLINE(ライン)のメッセージも明らかにされた。同31日夕に「今どこにいた? 無事だよね? 連絡ください」、3日後の6月3日に「体は大丈夫なの?」と記していた。
検察側の証人尋問では、事件の捜査に関わった一関署の刑事が出廷。千葉被告の車のカーナビを確認したところ、恵さんの行方不明届が出された19年6月4日に一関市などを広範囲に周回した記録があり「不自然だ」と感じたこと、千葉被告が恵さんの衣服や結婚指輪を売却していたことなどを証言した。