緊急事態宣言再延長に飲食店悲鳴「もう限界」 1月分も振り込みは5月…頼みの「協力金」も審査や入金遅れ

東京、大阪など9都道府県の新型コロナウイルス緊急事態宣言は、沖縄県の期限に合わせて6月20日まで再延長された。昨年以来、飲食店への休業要請や時短要請も長期化しているが、頼みの協力金も審査や入金が遅れ、資金繰りに窮する店も少なくない。現場からは「もう限界」との悲鳴が上がる。
「居酒屋は日銭で食っている商売ですから、その場その場の金額がないと非常に困るわけで。無担保無利子の借り入れを切り崩しているだけで、底をついてしまったら、みんな終わりです」
こう漏らすのは、東京都千代田区の居酒屋「神田魚援団(うおえんだん)」店主の石橋宏一さん。従来、昼夜営業だったが現在はランチ営業のみでしのいでいる。
同店は1月の時短営業分について協力金を都に申請したが、実際に振り込まれたのは5月上旬だったという。サラリーマンにたとえると、「4カ月働いても給料が入らず家のローンを払って食事代もかかる」ようなものだと石橋さんは語る。
都産業労働局によると、飲食店などを対象とする「営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金」は1月8日~3月31日の実施分について20万8399件の申請があったが、支給は16万7765件だった。
協力金の対象外と判定されたものもあるが、「審査は通ったが入金待ちの人もいるし、審査の過程も若干いる」と都の担当者。営業実態を確認するための書類や写真提出の手続きに時間を要することもあるという。
要請に応じた期間の後に申請する仕組みのため、4月以降の実施分については受け付けも始まっていない。
これ以上休業や時短を続けられない飲食店も増えており、前出の石橋さんは「『6月入ったらやっちゃおうよ、もう無理』という店は多いと聞く。スピード感をもって協力金を出してもらいたい」と危機感を抱く。
杉並区のラーメン店「旨辛麺かつくに」では、4月下旬の大型連休直前から休業要請に応じてきたが、5月20日から営業再開を決めた。
1~2月分の協力金は入金されたが、3月分についてはまだ入金されていないという。店主の山崎えつ子さんは「家賃もギリギリで、仕入れもまとめて支払いとなるとかなりの金額になる。協力金を待つのにも限界がある。続けたくても続けられない方もいると思います」と語った。
企業情報に詳しい信用調査会社、東京経済情報部の森田幸典副部長は「協力金の支給にこれほどのタイムラグが生じれば事業者の『持続化』の意味合いをなさない。一律給付や手続きの簡略化を実施すれば詐欺も懸念されるので、制度設計が非常に難しい」と指摘した。