SNS個人融資 「担保」に裸画像 「不法業者から借りないで」

SNS(ネット交流サービス)やインターネットの掲示板を介した「個人間融資」を巡るトラブルが多発している。個人といいながら実態は違法なヤミ金業者である場合があり、埼玉県警が貸金業法違反容疑で逮捕した男性は女性30人以上に現金を貸し付け、「担保」として裸の画像まで送らせていた。国民生活センターによると、コロナ禍による生活困窮から手を出してしまうケースもあるといい、「見知らぬ人から現金を借りないで」と注意を呼びかけている。【平本絢子】
県警は5月12日、2020年2~7月に女性3人に現金計39万円を貸し付けて貸金業を営んだとして、横浜市都筑区池辺町、無職、木村光弘容疑者(66)を貸金業法違反容疑で逮捕。21年6月1日には出資法違反(超高金利)容疑でも再逮捕した。いずれも容疑を認めている。
県警によると、木村容疑者は20年2月から、SNSやネットの掲示板で「お金を貸してください」などと投稿をした女性に融資を持ちかけるメッセージを送り、女子高校生を含む10~50代の女性30人以上に総額約600万円を貸し付けていた。木村容疑者は、被害女性にSNSで身分証明書の写真や裸の画像を送らせていたという。県警は担保代わりにしたとみている。
「ネットの掲示板でお金を借りたが返せなくなった。執拗(しつよう)な督促があった」。捜査のきっかけは同年10月、20代女性から県警に相談が寄せられたことだった。県警生活経済課は「借りた金を返さないと脅迫などの2次被害に遭う恐れがある。不法な業者から借りないで」と警鐘を鳴らす。
実際に、ツイッターを見ると「資金調達のお助けします」「女性限定で無利息融資も可能」といった、融資を持ち掛ける投稿やアカウントが散見される。個人間であっても不特定多数に継続して金を貸し付ける行為は「貸金業」にあたる可能性があり、国や都道府県の登録を受けなければ無登録営業として貸金業法に抵触する。「返金しなければ裸の写真をネットで公開する」と脅したり、貸し付けの見返りに性行為を求めたりする手口も確認されている。
国民生活センターによると、個人間融資に関する相談は近年、全国で増加傾向にあるという。相談者は20~40代が中心で、SNSや掲示板でやり取りできる手軽さから手を出してしまうとみられる。同センターは「個人間融資は利用せず、もしトラブルに巻き込まれた場合は消費者ホットライン(188)に相談してほしい」と呼びかけている。