「政治とカネ」の“抜け道” 今も続く国会議員「迂回寄付」の実態が暴かれる

「政治とカネの問題はきれいになってきている」

6月1日の記者会見でこう発言していたのは自民党の二階俊博幹事長だったが、実際はどうなのか。今の与野党国会議員をめぐる「政治とカネ」の状況について、ノンフィクション記事に特化した会員制サイト「SlowNews」に掲載された記事『大調査 確定申告で税金を取り戻す国会議員たち』が話題だ。

取材、執筆を担当したのは、記者グループの「フロントラインプレス」。内容は、与野党の国会議員が、自らが代表を務める政党支部に政治資金を一度寄付した後、自身の後援会に移して税控除を受ける「迂回寄付」の実態について詳報したものだ。

現行の租税特別措置法では、個人が政党や政党支部に寄付した場合、一定の税額控除や還付が認められているものの、政治家が自身の資金管理団体に直接寄付する場合は「寄付者に特別な利益が及ぶ」として、税の優遇の対象外となる。このため、一部の国会議員らは自ら代表を務める政党支部に寄付し、還付申告して税の優遇を受けつつ、支部から資金管理団体にカネを回す――。いわば寄付を自らの資金として戻すという、税逃れのような行為を行っている疑いがあるという。

この「迂回寄付」は新しい“手口”ではない。2013年以降、複数の国会議員で問題が発覚し、17年には自民党の高市早苗総務相(当時)が、所得税の還付金を不正に受け取った疑いがあるとして、東京都の男性らが高市氏を詐欺容疑で奈良地検に告発している(その後、不起訴処分)。

記事によると、2015~19年の5年間で、衆参両院の国会議員計39人が自分の政党支部に寄付し、還付申告に必要な書類を受け取っていたという。これらの議員は記者の追及に対し、果たしてどう答えたのか――。詳述は省くが、取材を担当した「フロントラインプレス」メンバーの本間誠也さんが改めてこう言う。

「39人の国会議員は皆、後ろめたい思いを感じていたのではないでしょうか。なぜなら、政治家にとって政党支部とは自分の財布のような存在であり、そこに寄付するというのは、本人も『自分に特別な利益をもたらす行為』だと分かっているはずだからです。現行法(租税特別措置法)を改正して制度の誤りを正すしかありません」

「政治とカネ」の問題がきれいになるのはまだまだだ。