「お母さん、ごめんなさい。言えなかった」小学生の娘が愛人男から性的虐待 母親は法廷で嗚咽を《大阪・少女強制性交》

「生臭いにおいで気持ち悪いと思いました」当時小学生だった“愛人の娘”が法廷で証言した“最悪の性的虐待” から続く
今年3月より大阪地方裁判所某支部で行なわれている刑事裁判。大阪府郊外の町で金属部品加工の工場を営むヤマモトシュウジ被告(50代・仮名)は町工場の従業員で愛人だったA子さん(40代)の娘であるB子ちゃんに対して「強制わいせつ」「強制性交」を犯した罪に問われている。検察は、B子ちゃんが小学3年生の頃から性被害に合い、自殺を考える程追い込まれていたと指摘、だが、ヤマモト被告は逮捕当時から容疑を否認、B子ちゃんが訴えた性被害も「作り話だ」と供述しているという。
※この裁判では被告人名から被害者が特定される可能性があるため、被害者を保護する観点から「被告人名秘匿」の措置がとられています。本稿でも被害児童の特定を避けるため被告を匿名で報じます。
「わいせつなことをされて……家庭が壊れるから言えなかった」
6月2日に開かれた4回目の公判。午後3時過ぎに、被害者のB子ちゃんに対する被告弁護人側の質問が終わり、B子ちゃんが退廷すると、傍聴人は一度法廷の外に出された。その間にB子ちゃんの母親であるA子さんが入廷し、パーティションを証言台周辺に設置する遮蔽措置がとられた。傍聴人が再び席に着いた後、A子さんがか細い声で宣誓した。
検察側はまず、A子さんとヤマモト被告の関係性について聞いた。
「付き合っていました。主人の職場関係で知り合いました。主人と被告人の関係は取引先の元請けと下請けの関係です。被告人と知り合ったのは平成23(2011)年頃です。主人は平成24(2012)年に交通事故で亡くなりました。付き合い始めたのはそこから1年後くらいです」(A子さん)
――被告には奥さんがいた?(検察官、以下同)
「はい」(A子さん、以下同)
――不倫関係?
「はい。(距離が近づいたのは、2012年に)主人がなくなって(ヤマモト被告が)『弁護士を紹介したい』と言って、そこからです。主人が亡くなって1年は何もしていませんでしたが、被告人の会社で働くようになりました。付き合うようになって平日は仕事で関係していて休日は旅行に行ったり家に行ったりしました。別宅(※ 前記事 で登場した“別邸”のこと)以外では和歌山の別荘に行きました。
(B子ちゃんへの)わいせつ(行為)を知ったのは、2年前の8月上旬、旅行の前日に私の部屋に手紙が貼られていました。見つけたのは夜の21時ごろです。メモの内容は『お母さん、ごめんなさい。黙っていたことがあります。わいせつなことをされて……家庭が壊れるから言えなかった、ごめんなさい』でした」
1泊目の夜、被告が「子供たちの様子を見に行く」と言って…
A子さんは思わず、嗚咽を漏らした。A子さんが証言している間、被告人席のヤマモト被告は微動だにせず、ただじっと前を見つめていた。A子さんが証言を続ける。
「メモを見て言葉にならなかったです。娘を部屋に呼びました。ジェルを塗られて……お風呂の時に指を入れられたと言っていました」
――指を入れられたときのことについて。
「『お股痛いって言ったやん。あの時、指いれられてん』と聞きました。娘がお風呂から出て『お股痛い』といって、何も言っていないのに被告人が急に『濡れ衣や』と言いました。大阪の別宅で、(B子ちゃんが)小学校高学年のころです」
続いて、検察側は、午前中にB子ちゃんが証言した、繰り返された「強制わいせつ」について、A子さんに聞いた。A子さんは記憶を振り絞って当時の状況を答えた。
沖縄のリゾートホテルでの性被害についてはこう証言した。
「隣の部屋がキャンセルになったので、被告人が『隣の部屋を子供の部屋にしよう』と言いました。元の部屋を大人の部屋(ヤマモト被告とA子さん)、キャンセルになった部屋を子供の部屋(B子ちゃんと弟)にしました。
1泊目の夜に被告人が『子供たちの様子を見に行く』と言って出て行きました。すぐには戻りませんでした。出て行ったのは23時とかで戻ったのは24時とか……」
『お金立て替えてくれへんかなぁ」「いいやろ、いいやろ」
B子ちゃんが和歌山にあるヤマモト被告の別荘にあるジャグジー風呂の脱衣所で性被害を受けたと証言したことについては、次のように述べた。
「(後日、B子ちゃんに)『お母さん、(その時は)何してた?』と聞くと、『寝ていた』と言われて、思い当たることがありました。被告人にお金を立て替えてほしいと言われ、そのことに悩んで寝ていたことがありました。
(ヤマモト被告は和歌山に2軒の別荘を所有しているが)1軒目の別荘代、1000万円を(ヤマモト被告に対して)立て替えていて、さらに『2軒目の別荘代1400万を』と(ヤマモト被告から)頼まれました。2軒目について悩んだのは、主人の命のお金(保険金)だからです。主人が亡くなった時のお金で払うことになるからです。1軒目のお金はまだ返してもらっていませんでした。
(A子さんが和歌山の別荘で)寝ていた日は、被告人から来ていた『お金立て替えてくれへんかなぁ』というメールや銀行の振込書で特定できました。メールが来た時はお金のことをメールで言うことじゃないと思って何も返事をしませんでした。仕事が一緒なので、その時被告人は不機嫌でした。夜に電話で『メールしたけどなんで無視すんねん』みたいなことを言われました。結局、立て替えたのは、しつこく『いいやろ、いいやろ』と言われたからです」
――ヤマモト被告と金銭トラブルになっていたのか。
「ないです。(お金のトラブルは? という質問に)ないです」
――別荘の返済プランは?
「なかなか返してくれんかったので、『夫の命のお金だ』と伝えました。令和元(2019)年8月には返してもらいつつありました。残金は950万円くらいです」
「私、女の子に産まれたんが悪かったんかなぁ」
――被告人は(B子ちゃんにとって)どういう存在?
「お父さんを知っている、お父さん代わりの人です。しつけは厳しいなと思いました。叩いたり……。ごはんを食べないと言って叩いていました」
――B子ちゃんが被告を嫌がることは?
「大きくなってからはありました。別宅とかについては『えー』と言っていました」
――被告人と性行為をしましたか?
「はい、最後は2年前の沖縄です。付き合い当初は毎日することもありました。事務所ですることもありました」
――被告に対してどう思いますか?
「罪を認めないのは、自分のプライドとか立場を守るためだと思う。反省していない。なんでこんな苦しんだのに。今も苦しんでいるのに。
裁判長、娘が言うんです。『私、女の子に産まれたんが悪かったんかなぁ、男の子に産まれたらよかったのかなぁ』『もし私が言わなかったら、今ごろ自殺して死んでたよ』って言うんです。
「裁判長、お願いです。娘の痛みを法で裁いてください」
主人と(B子ちゃんを妊娠した時に)女の子やって分かった時、すごく喜んだんです。嬉しくて絶対守ると思ったのに。主人が死んで寂しい思いをさせたくなくて頑張ったのに。亡くなった主人にも申し訳ない。娘、死んだらどうしようと思います。今でも、明日死んでいたらどうしようって……。この間も文春の人が来ました。被害のことを知っていました(※取材班は5月26日にA子さんに話を聞くべく接触を試みたが、A子さんは取材を拒否した)。
お願いです。裁判長、裁判官、お願いです。娘の痛みを法で裁いてください。お願いします」
悲痛な叫びが法廷に響き渡り、A子さんへの検察側の質問は終了。この日は閉廷となった。この日、B子ちゃんやA子さんが証言をしている間、ヤマモト被告は前を見つめ、時折、天を仰いでいた。
(近日公開の#4へ続く)

6月5日(土)21時より放送の「 文春オンラインTV 」では、担当記者が記事について詳しく解説します。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))