「まるで昭和の選挙」 有権者への寄付、いまだ横行 菅原前経産相略式起訴

公選法違反(寄付行為)罪で東京地検特捜部に略式起訴された菅原一秀前経済産業相(59)の手法は、選挙区の有権者に「薄く広く」現金などを配るという古典的な手法だった。関係者からは「まるで昭和の選挙だ」と驚きの声が上がるが、一部では今も根強い慣習として残っていることが浮き彫りになった。
「多いなとは思っていたけど、出されると受け取るしかない」
菅原氏の地元・東京9区の東京都練馬区の商店街関係者は、こう漏らした。菅原氏は、会費3千円の商店街の夏祭りに毎年のように1万円を支払っており、お釣りはもらわずに去っていったという。
「うちは昔からそうだった。バラマキといわれればそうかもしれないし、受け取る側にも問題があったかもしれない」。関係者はそう話し、肩を落とした。
会費が明示されていないイベントで、選挙区内の有権者に現金を支払うことは公選法上、有権者への寄付行為に当たる。ただ、古参の自民党都連関係者によると、こうした定められた金額以上の会費を支払う行為は「議員価格」と呼ばれ、かつては当たり前に行われていたという。
都連では十数年前、こうした行為は違法に当たるとの通達を出したが、ある地元政界関係者は「菅原氏に限らず、寄付まがいの行為をしている人はいまだにいる」と声を潜める。「地方ではもっと横行している」(永田町関係者)との声もある。
練馬区内に地盤を持つ政治家は、商店街の祭りなどに手ぶらで挨拶しに行くと、露骨に嫌な顔をされ、他の議員が寄付したことをほのめかすような対応をされたこともあるといい「昔から払ってきたものを止めるのは勇気がいる」と打ち明ける。
ただ、多くの議員が寄付ととられかねない現金や香典などの提供を断っているのも事実。地元の議員関係者は「ここまで違法行為が明らかになって立件されなければ、正直者が馬鹿を見ることになってしまうところだった」と語気を強めた。