愛知県豊田市の自動車関連会社の事務所で経営者の中根康継さん（61）が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された同県刈谷市井ケ谷町、派遣社員、野見山健太容疑者（39）が、中根さんの血が付着した服を着替えて逃走したことが捜査関係者への取材で判明した。野見山容疑者の関係先から中根さんのものとみられる血痕が付着した衣服が見つかっており、中根さんの血痕かどうか調べる。捜査本部は9日、野見山容疑者を名古屋地検に送検した。
捜査関係者によると、暴行した際に返り血を浴び、自転車で逃走したとみられる。中根さんの事務所では複数の人物が寝泊まりしており、野見山容疑者も5月ごろまで寝泊まりしていたという。県警豊田署捜査本部は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて動機の解明を急いでいる。
中根さんの知人によると、中根さんは仕事や金銭に困った知り合いを事務所に寝泊まりさせていたという。この知人は「中根さんは兄貴的存在。仕事も紹介してくれて面倒見のいい人だった」と話した。【森田采花】