飛び込み死のJOC職員 20年以上前から「五輪の縁の下の力持ち」だった

6月7日午前9時20分頃、都営浅草線中延駅(東京・品川区)のホームで男性が飛び込み自殺を図った。死亡したのは日本オリンピック委員会(JOC)の経理部長、森谷靖さん(享年52)。森谷さんと同じ列で電車を待っていた客が当時の様子を語る。
「亡くなられた男性は、最後尾の車両位置で電車を待っていました。後ろから2番目の扉の場所に2列で整列していて、男性は先頭の右側。黄色いブロックの内側に立っていましたし、独り言をぶつぶつ言ったり、ソワソワしたりすることもなく、特に変わった様子はありませんでした。
普通のビジネスバッグより少し小ぶりの茶色のバッグを左手に持っていました。電車が到着するアナウンスがあった後、そのバッグをそっと自分の左足元に置き、ゆっくりと前に進んでそのままの流れで飛び込んだのです。勢いよく飛び込むというよりは、直立状態のままスッと静かに視界から消えた感じでした……。一瞬かつ静かな出来事で、同じ列に並んでいた人でも、スマホを見ていた人なんかは、なぜ電車が急停車したのかわからない人もいたほどでした」
あまりに突然の出来事で、駅のホームはパニックにすらならなかったという。
「すぐに駅員や警備員が駆け付けて、ホーム上の客に離れるよう指示を出していたので事故状況は詳しくはわかりません。ただ、車両が損傷している様子や血などが流れている様子もなく、私は車両の下やホームの隙間に入って助かったのならよかったな、って思ったほどでした」(同前)
しかし、約2時間後、森谷さんは搬送先の病院で死亡が確認された。東京五輪の開幕まで、あと1か月半。なぜこのタイミングで森谷さんは自死を選ばなければならなかったのか。
「森谷さんは、真面目でとにかく優秀なタイプでした。自殺なんて考えられない」
と語るのは五輪関係者。
「彼は埼玉県の難関進学校から法政大学に進み、その後は西武鉄道グループの不動産会社であるコクド(2006年に解散)で働いていました。JOCにはコクドから出向という形でかかわっていたのですが、評判が非常によく、JOC側から依頼する形で再雇用することになったと聞いている。2000年のシドニー五輪の際は、日本選手団の本部員に選ばれるなど、もう20年以上前から『五輪の縁の下の力持ち』として活躍していましたね」
※女性セブン2021年6月24日号