新型コロナウイルス対策を検討する厚生労働省の助言機関は16日、「全国の新規感染者数、重症者数は減少が続き、死亡者数も減少に転じた」との見解をまとめた。一方、東京、大阪などで人出が増加し、感染力が強いとされる変異ウイルスのインド型(デルタ型)の報告数も増えたことから、「特に、東京でリバウンドが強く懸念され、警戒が必要」と警鐘を鳴らした。
東京や大阪では、新規感染者数、病床使用率ともに低下傾向が続いている。しかし、東京では昼夜ともに、5週連続で人出が増え、緊急事態宣言発令前と同程度の水準まで戻りつつある。大阪でも人出の増加がみられ、注視が必要とした。
北海道では、感染の中心だった札幌市で新規感染者数は減少している。
沖縄では、新規感染者数はピークだった6月初旬からは半減したものの、直近1週間では人口10万人あたり62人と全国最多となっている。また、病床使用率は9割ほどと、依然として高い水準が続いている。
インド型については、空港検疫で感染者202人(7日時点)、各都道府県で214人(14日時点)が確認されている。国は実態把握を進めるため、新規感染者の4割に対して抽出検査を行う方針を示している。
助言機関の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は「過去の感染再拡大の経験を踏まえ、緊急事態宣言などを解除する場合、対策の緩和は段階的に進めることが必要だ」と話した。
また、助言機関では、4月以降に実施された緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の効果を比較した分析結果が示された。
国立感染研などの分析によると、緊急事態宣言の発令によって、感染者1人が何人にうつすかを示す「実効再生産数」が26~39%減少した。重点措置の適用では2~19%の減少にとどまったことから、宣言の方がより強く感染抑制の効果があった。新規感染者数の減少の効果は、東京よりも大阪で大きかったとした。