東京と大阪で自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチン大規模接種センターの対象が全国の18~64歳に拡大されたのを受け静岡県三島市が17日、未発送の接種券番号の電話回答を始めるなど、静岡県内でも対応が急ピッチで動き出した。職域接種と合わせて年齢層拡大で接種加速が期待されるが、「7月末完了」に向けて進行中の高齢者向け接種で問い合わせが集中している自治体にさらに負荷がかかることになり、混乱も懸念される。
「高齢者接種予約の問い合わせに番号確認も加わり、電話が鳴りっぱなし」。三島市の担当者はこう話した。17日、接種券が届いていなくても、電話で本人確認が取れれば券の番号を伝える取り組みを始めた。東京都内への通勤者も多い市民から確認要望が急遽(きゅうきょ)相次いだためだ。
64歳以下の接種券も印刷は済んで発送待ちのため、市役所での受け取りや郵送も可能。島田市も、市役所での受け取りと郵送の対応を16日に発表した。企業などから申請が始まった職域接種を見据えたものでもあり今後、各市町に同様の対応が求められそうだ。
ただ、静岡県内では65歳以上の高齢者接種で21日から、県設置の4つの広域集団接種会場の運用が始まり、市町への電話はさらに増える可能性が高い。こうした中、18歳以上までの対応作業も一挙に増すことになる。
一方、三島市は電話回答に応じるのは「25日まで」としている。自衛隊が、週明け28日以降は「基本的に2回目を接種する方の期間。1回目の予約枠は非常に少なくなる」としていたからだ。実際、17日午後2時には27日までの枠が埋まり、キャンセル待ちの状態に。高齢者枠が埋まらないとして始まった全国拡大だが、拡大対象に比してその枠は非常に限られているのが実態だ。
また自衛隊のセンター、職域接種とも2回目まで同じ場所で受ける前提ではあるものの、ある市の職員は「万一、2回目は違う場所で受けざるを得ない時にどうフォローできるか」と心配する。接種状況が一元把握できると国が導入した記録システムに不具合や使い勝手の悪さもあって登録が順調ではない中、米ファイザー製、米モデルナ製などと分かれ、接種間隔もそれぞれ異なり、複雑な「用法」の把握が個人任せになる恐れを懸念したもの。対象拡大と安心の両立のためには配慮が求められる。