大阪市北区天神橋のビル５階のカラオケパブ「ごまちゃん」店内で、オーナーの稲田真優子(まゆこ)さん（２５）が殺害された事件で、１１日夜に稲田さんと一緒に勤務した女性従業員が、「店の営業終了後の午後９時過ぎに、稲田さんと最後の客を見送った」という趣旨の説明をしていることが１９日、捜査関係者への取材で分かった。
この客が宮本浩志(ひろし)容疑者（５６）＝殺人容疑で逮捕＝とみられ、大阪府警曽根崎署捜査本部は、宮本容疑者が一度退店した後もビル内にとどまり、稲田さんと２人きりになれる機会をうかがっていたとみて詳しい状況を調べている。
捜査本部は同日、殺人容疑で宮本容疑者を送検。宮本容疑者は「店に行ったがやっていない」と容疑を否認しているという。
捜査関係者によると、女性従業員はすべての客が店を出た後、稲田さんより先に退勤。しかし、ビル１階の防犯カメラには、女性従業員がビルを出た後の１１日午後１０時ごろ、宮本容疑者がビルを出る姿が写っていた。女性従業員の退勤後、稲田さんは１人で後片付けをしていたとみられ、店に戻った宮本容疑者に襲撃された可能性が高い。
一方、パブ店内の入り口付近の天井にぶら下げる形で設置されていた防犯カメラが取り外され、映像を記録するＳＤカードがなくなっていた。犯行の状況が記録されていた可能性があり捜査本部は、宮本容疑者が証拠隠滅のため持ち去った疑いがあるとみている。