感染者も「ワクチン1回接種が必要」 長崎大研究グループが発表

長崎大病院の研究グループは、新型コロナウイルスに感染した人もワクチンを1回接種しなければ感染予防に十分な抗体量を獲得できないとする研究結果を発表した。感染者へのワクチンの効果を検証する研究は国内初という。研究グループは「感染したことがある人も油断せずワクチン接種を受けてほしい」と呼びかけている。
長崎大病院検査部の柳原克紀教授(臨床検査医学)らのグループと、医薬品開発メーカー「アボットジャパン」などの共同研究。20~60代の感染者49人と感染したことがない113人を対象に3~4月、米ファイザー製ワクチンの接種前後の血液中の抗体量を測定した。
その結果、感染者はワクチン接種前の時点で、感染したことがない人の1回目の接種14日後と同程度の抗体量を有していたが、感染予防には十分ではなかった。だが1回目の接種から7日後には、感染したことがない人の2回目の接種7日後と同程度の量に達した。
グループの研究では、基礎疾患がある人や高齢者は、接種をしても抗体量の上昇幅が小さい傾向にあることも明らかになった。柳原教授は「感染していない人が十分な抗体量を獲得するためには2回の接種が不可欠だが、高齢者らは2回目の接種後も安心せず感染対策を取ってほしい」と話す。
研究グループは抗体の持続期間を調べるため、来春まで継続的にデータを取る方針。【田中韻】