特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」駆除に懸賞金 埼玉・行田

桜や桃などに寄生して中から食い荒らし、枯死させてしまう特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」。埼玉県内では2013年に被害が初めて確認されて以降、年々生息域を拡大しており、被害箇所数は18年度から2年で3倍近くに増えている。危機感を抱いた行田市は7月から“懸賞金”制度を設けて駆除に取り組む。県内では初の試みとなる。【隈元浩彦】
県環境科学国際センター(加須市)研究推進室によると、クビアカツヤカミキリは中国、モンゴルなどが原産地で、体長25~40ミリのカミキリムシ科の甲虫。全体的に光沢のある黒色で、その名の通り明赤色の首回りが特徴だ。桜、桃、梅などのバラ科の樹木に産卵し、幼虫は樹体を摂食しながら2~3年かけて成長する。1匹のメスは1000個近くの卵を産卵することがある。
国内で最初に樹木の枯死被害が確認されたのは12年、愛知県でのこと。県内では翌13年に草加市、八潮市の数カ所で枯死が初めて見つかった。全国的に被害が広がり、国は18年に特定外来生物として飼育、運搬を禁じた。
県の集計では、本格的に調査に乗り出した18年度の被害は8市128カ所、19年度は12市町206カ所、そして20年度は16市町420カ所。被害エリアは県南東部、県北部に及ぶ。
同センターの自然環境担当の三輪誠さんは「これまで桜の被害報告がほとんどでしたが、県北部を中心に桃、梅の被害も報告されています。さらなる被害の拡大が懸念されます」と危機感を強める。
行田市も被害に頭を悩ませている自治体の一つだ。環境課によると、3月末現在で、忍川沿いの桜など90本ほどの樹木で被害を確認。うち数十本は枯死と判断されたという。市は17年度から成虫の駆除をスタートさせ、初年度は10匹だったのが20年度は208匹に。見方を変えれば、クビアカツヤカミキリの猛威が急拡大している。
市はさらなる対策が必要として7月1日から、クビアカツヤカミキリの成虫の死骸10匹を環境課に持ち込めば、奨励品として500円分の行田市商店共通券と引き換えるキャンペーンを実施する。環境課主幹の野中豊さんは「広く市民に協力を呼びかけて、何とか被害を食い止めたい。商品券が動機付けになれば」と期待を寄せる。
9月末までで、市民が対象。移動が禁じられているため死骸限定で、首の赤色が確認できることが条件。「捕殺は踏みつけるのが一般的」(三輪さん)という。市は1500匹分、7万5000円の予算を立てている。
クビアカツヤカミキリ駆除の“懸賞金”は県内初だが、お隣の群馬県館林市は19年度から1匹50円で買い取る制度を導入し、同年度は6648匹、20年度は6249匹を駆除した。同市地球環境課の黒岩雄一郎さんは「駆除に加えて、クビアカツヤカミキリが害虫であることの周知が目標。20年度はコロナ禍の中での数値であることを勘案すれば、制度は有効とみている」と話した。