飲酒運転、厳罰化進むも下げ止まり傾向 死傷事故の撲滅なお課題

飲酒運転による死傷事故は2001年以降に厳罰化が進んだ影響で、20年は01年比で8分の1程度になった。一方、この10年間ほどは減少幅が縮小して下げ止まりの傾向もみられる。
警察庁によると、00年に1276件あった飲酒運転による死亡事故は20年には159件まで減少。重傷事故も3193件から353件にまで減った。
厳罰化は刑法や道路交通法の改正などで実施してきた。01年には危険運転致死傷罪を新設し、悪質な運転に殺人や強盗などに匹敵する罪を負わせられるようにした。02年には酒気帯び運転の基準を厳しくするなどし、06年に福岡市で飲酒運転により幼児3人が亡くなる事故が起きると、酒酔い運転の罰則が引き上げられた。
しかし、死傷事故の下げ幅は小さくなっている。16年から20年にかけての減少幅は死亡事故が25・4%、重傷事故は16・0%にとどまる。01年から05年にかけてはいずれも4割台の減少幅だった。
志堂寺和則・九州大大学院教授(交通心理学)によると、飲酒運転をするドライバーには一定程度、アルコール依存症やその一歩手前の人がいることが調査で分かっている。
志堂寺教授は「アルコール依存の人は治療を受けることが必須。依存ではなくても飲酒運転をしそうな様子のある人の場合は、本人の自覚が重要なのはもちろんだが、周りの人が飲酒運転をしないよう積極的に声をかけたりすることも必要だ」と指摘する。【町田徳丈】