「家が心配」「連絡取れず」=避難住民、疲労の色濃く―熱海土石流

多くの家屋が押し流された静岡県熱海市の土石流で、近隣住民は3日、体育館などに開設された避難所に身を寄せた。「家が心配」「同級生と連絡が取れない」。不安な表情を浮かべ、疲労が色濃くにじんだ。
発生場所から約2キロ離れた市立熱海中学校の体育館には約50人が避難した。災害用毛布やアルファ米などが配られ、携帯電話で親戚や友人に状況を伝える人の姿も見られた。
「玄関の鍵を閉め忘れるくらい必死に逃げた」。同市伊豆山地区の女性(71)は、配られた毛布にくるまりながら、手提げかばん一つで自宅を飛び出した時の状況を振り返った。
最初に土砂が少し流れ、外の様子を確認しに行った数分後、「ドーンと地響きが聞こえ、山が崩れて黒い土砂が膨れ上がって迫ってきた」。一緒に避難した夫が着る白いベストには、はねた黒い泥が付いていた。「家がどうなのか心配。薬を取りに少しでも早く帰りたい」と不安げに話した。
現場から約4キロの市総合福祉センターにも、50人超が一時避難した。避難してきた住民は新型コロナウイルス対策のため検温し、体調を確認するチェックシートに記入。市職員が飲料水やパンなどを配布した。
母と2人で訪れた男性会社員(43)は、近所に住む同級生の1人と連絡が取れていない。知人からは「家は残っているが、水道と電気は使えない」と聞かされたといい、「ライフラインがいつ復旧するか分からないが、命があるだけ良かった」と語った。
[時事通信社]