東京都の小池百合子知事(68)は2日の定例会見で、今夏の東京五輪・パラリンピックの観客入れのあり方について、新型コロナウイルス感染状況を踏まえ「無観客も軸に考える必要がある」との認識を示した。過労により静養していたため、10日ぶりに登庁。「都にとって今ほど重要な時期はない。どこかで倒れたとしても本望だと思ってやり抜いていきたい」と強調し、大会準備や新型コロナ対応に再びまい進する覚悟を口にした。
大会開幕が約3週間後に迫る中、無観客での開催が現実味を帯び始めた。
100人超の報道陣が待ち受ける会場に、小池氏が10日ぶりに姿を現した。当初「安静が必要」として中止が発表されていた午後2時の定例会見を、一転して同4時に実施。「時間をずらしても皆様方に最新の情報を直接お伝えしたいと思った」とし、これまでのように壇上に立つスタイルではなく、椅子に座った状態で2週間ぶりに約35分間の会見に臨んだ。
冒頭、先月22日夜から入院し公務を離れたことを謝罪した上で、時折せきをしながら「どこかでバタッと倒れているかもしれませんが、それも本望だと思ってやり抜いていきたい」と強調。会見中は終始、カメラのシャッター音が重なると聞こえない程の小さい声だったが、東京五輪・パラの観客入れに話題が及ぶと語気を強める場面も。これまで“選択肢の一つ”としていた無観客開催を「軸として考える必要があるのではないか」とした。
小池氏は静養に入る直前の21日夜、大会関係者による5者協議で「(状況次第では)無観客開催を含めて対応を検討する必要がある」などと発言。協議の結果「収容定員数の50%以内、最大1万人」での有観客開催が決定され、緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」が発動された場合は、無観客を含め改めて検討することで合意した。
東京都は観客入れ判断を左右する「重点措置」が11日に期限を迎えるが、延長“不可避”の状況が続いている。都は2日、新型コロナの感染者が新たに660人確認されたと発表。3日連続で600人を超え前週と同じ曜日の感染者数を13日連続で上回った。新規感染者数の7日間平均は537・1人(前週比118%)で政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)と厳しい水準で推移している。
小池氏は都内の感染状況について「夜間の人流増加や、感染力の強い(インドで最初に確認された)デルタ株も増加しており、十分な警戒が必要だ」と危機感をあらわに。「重点措置」の延長可否については「医療提供体制など総合的に見ながら検討する必要がある。判断するのは国だ」とし、都として政府へ要請するかどうかに関しては明言しなかった。(奥津 友希乃)