熱海の土石流 懸命の捜索、飼い猫発見の一幕も

静岡県熱海市伊豆山の土石流被害では、発生3日目となった5日も、自衛隊や警察、消防などによる懸命の捜索が続いた。泥にまみれた住居からは猫も見つかり、飼い主と無事に再会を果たした。
発見したのは、警視庁の広域緊急援助隊。同隊は169人体制で伊豆山地区の被害エリアの捜索を行い、5日午前までに計8人を救助している。
同隊によると、飼い主の女性から、「実は中に猫がいる」と連絡を受け、警察官が4階の女性の部屋へ階段で上がった。猫は押し入れの中の棚の奥にいたが、なかなか出てこなかった。そこで、玄関にあったエサを手に持って誘い出し、捕獲したという。
女性が「お忙しいのに、ありがとうございました」としきりに頭を下げる中、猫はキョトンとした表情でおとなしくケージに収まっていた。
土石流は、起点となった逢初(あいぞめ)川の上流部から、南東方向に約2キロ先の海まで到達した。警視庁は5日午後、海岸線沿いを通る自動車道「熱海ビーチライン」周辺の規制エリア内を、報道陣に公開。道路から山沿いに斜面を登ると、一面が泥や倒木に囲まれた一角に出た。
飲食店のシャッターはひしゃげ、あたりには腐敗臭が漂い、生々しい被害の様子が確認できた。
広域緊急援助隊の高橋友美広報官は「熱海は坂の地形で、どこにまた土石流が来るか分からず、車両の待機場所にも注意している。手の消毒などコロナ対策もしつつ、とにかく一刻も早く要救助者を発見できるよう、できる限りのことをしていく」と話した。