新幹線あわや、橋の下すり抜けた土石流…専門家が上空から被災地視察

山中に延びる土石流の跡は岩盤がむき出しになり、下流側では新幹線の線路脇に大量の土砂が押し寄せていた。

国生
(こくしょう)剛治・中央大名誉教授(地盤災害工学)が5日、本社ヘリに搭乗し、静岡県熱海市の土石流現場を上空から視察した。
国生さんが注目したのは、海岸近くを走るJR東海道新幹線。雨の影響で災害発生前から運休しており、土石流も大部分が鉄道橋の下をすり抜けたとみられる。
ただ、土砂の一部は線路沿いにたまっており、「より多くの土砂や木々を巻き込んでいれば、橋にせき止められて線路にあふれ、大きな被害が出ていたかもしれない」と指摘した。
上流側の谷筋では、土石流が通った幅が比較的狭いことが確認できた。周辺の木々があまり巻き込まれず、下流への流出が少なかったとみられる。土石流の跡には、表層の土砂が削り取られて岩盤が露出していた。
盛り土が崩れた土石流の上端では、赤茶けた岩盤の脇に崩れ残りとみられる盛り土が確認された。いまにも崩れ落ちそうに見える。
気象庁の予報では梅雨前線が1週間ほど日本列島にとどまる見通しで、国生さんは「崩れ残りに加え、谷筋に流れ残った土砂が雨に流される可能性もある。引き続き天候への注意が必要だ」と指摘した。