トラクター横転、下敷きの男性をスコップで救助 建設会社の知恵

長野県の上田地域広域連合消防本部は12日、スコップを使って人力で地面を掘り、小型トラクターの下敷きになった70代男性を救助した建設会社「菅平開発」(同県上田市菅平高原)を人命救助で表彰した。
同本部などによると、5月15日午前10時ごろ、菅平高原内の畑で小型トラクターが高さ約1・5メートルの土手から転落して横転。運転していた男性がトラクターの下敷きになった。直後、同社に男性の妻から「トラクターを引き揚げてほしい」との電話があった。受話器をとった立花達也社長とは、以前から除雪の依頼を受けるなどして顔見知りだったという。「(夫が)トラクターに挟まれている」と聞き、すぐに119番通報した。
さらに立花社長は、現場を思い浮かべながら従業員3人に「今すぐスコップを持って出てくれ」と指示し、事故現場に向かった。横転したトラクターの運転席と地面との隙間(すきま)が狭く、立花さんらはスコップで周囲の土を掘って空洞を作り男性を助け出した。男性はドクターヘリで医療機関に搬送。手を負傷するなどしたが現在は回復し、通院治療中という。
同本部の堀池正博・消防長は「こうした事故現場で冷静でいるのは難しいが、迅速かつ的確な行動をとった」と評価した。立花社長は「(男性が)命に関わるようなけがをしなくてよかった」と笑顔を見せた。【坂根真理】