西村康稔経済再生担当相が酒類提供停止に応じない飲食店に対し、取引先の金融機関から働きかけてもらう方針を一時表明した問題について、麻生太郎財務相兼金融担当相は13日の閣議後記者会見で、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議出席のため訪れたイタリアで8日夕(日本時間9日未明)、同行していた金融庁の秘書官から報告を受けたと明らかにした。麻生氏は会見で「(秘書官には)言っている意味がよく分からなかったので、そんなの放っておけと言っておいた」などと説明した。
麻生氏は「(普段、金融機関に対して)こっちは融資してくださいって言っているのに、融資止めろって言ってるんだろ。普通に考えてもおかしいし、意味がよく分からなかった」と指摘。西村氏の発言については「本来の趣旨を十分伝えられていない。特定の飲食店への融資を制限するという趣旨では全くなくて、多くの事業者と接点がある金融機関に対して、飲食店に限らず広く取引先に対して、一般的な感染対策を呼び掛けるというのがもともとの趣旨だったと思う」と述べた。
また、「(金融庁としては)金融機関にはこれまでも飲食店などへの融資には迅速かつ柔軟に対応するよう要請してきたので、そうした方針に変わりはない。これまでも引き続き、事業者への資金繰り対応に万全を期してもらいたい」と話した。
麻生氏によると、現地時間9日午後(日本時間9日夜)、同じ秘書官が「金融機関への働きかけは行わないことになった」と事後報告してきたという。
西村氏は8日夜の記者会見で、飲食店が酒類提供停止に応じなければ、取引先の金融機関に店舗情報を提供して働きかけを行うと発表した。批判が噴出したことを受け、9日に自身の発言を撤回したが、混乱が広がっている。【袴田貴行】