東京都は15日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに1308人確認されたと発表した。1日あたりの感染者が1300人を超えるのは、1485人の感染が確認された1月21日以来、約半年ぶり。前週の木曜(896人)から412人増えた。都が15日に開いた新型コロナの感染状況などを分析するモニタリング会議では、専門家が「この状況が続けば医療提供体制が逼迫(ひっぱく)の危機に直面する」と強い警戒感を示した。
都によると、新規感染者の7日間平均は14日時点で817・1人。前週比で131%と急増している。このペースが続けば、新規感染者の7日間平均は東京オリンピック期間中の今月28日時点で約1402人、大会後の8月11日時点で約2406人になるという試算も示され、年末年始の「第3波」のピーク(1月11日時点で約1816人)を大きく超える可能性があると指摘された。感染者の年代別では20、30代が約5割を占めている。
医療提供体制も厳しさを増している。6月下旬に1200人台だった入院患者は、この3週間で2023人(14日時点)に急増。保健所が新型コロナ患者の入院先を見つけられず、都に入院調整を依頼した件数は14日時点で1日125件になり、1カ月前の約3倍になった。今後、重症者が遅れて増加する懸念もある。
こうした状況で、東京五輪が始まろうとしている。都医師会の猪口正孝副会長は「五輪観戦で、盛り上がって会食したり集まったりすることで(感染は)広がる」と懸念。梅雨明けに伴って熱中症患者の増加も予想されるとし、「感染症も熱中症も救急(部門)が対応する。両方が同時に起きると大変だ」と強調した。
12日に4回目の緊急事態宣言が都内に発令されてから、都内主要繁華街の人出は少し減っている。都医学総合研究所によると、12~14日の3日間の人出は夜間時間帯(午後6~12時)で前週比で6・3%減った。感染リスクが高いとされる深夜帯(午後10~12時)で2・7%減少した。
今後、インドで確認された感染力が強い変異株(デルタ株)が広がる恐れもある。東京iCDC(感染症対策センター)専門家ボードの賀来満夫座長は「危機的な状況になりつつある。これまで以上に実効性のある対応を取り、人の流れの抑制、感染防止対策の徹底に努める必要がある」と指摘した。【古関俊樹、黒川晋史】