デルタ株による「第5波」の標的、50代の重傷化リスク 専門家「救命率は上がっている」が…

東京都の14日の新型コロナウイルス新規感染者は1149人と、約2カ月ぶりに1000人の大台を上回った。数だけみると「恐怖の第5波」といった感じだが、中身はこれまでと大きく違っている。ワクチン接種が進んだ65歳以上の高齢者は46人とわずか4%で、20~50代の感染が圧倒的だ。中でも重症者の増加が懸念されるのが50代だが、重症化したらどうなるのか。現場で治療に当たる医師に聞いた。
■高齢者へのワクチン効果鮮明も
感染者数は急増しているが、東京の重症者は14日時点で54人と7月に入って50人台でほぼ横ばい。死者数も大きく増えておらず、高齢者へのワクチン効果は鮮明だ。
一方、感染者のうち40代が209人、50代が140人と合計で全体の約30%を占めている。専門家は、感染力が高いデルタ株による「第5波」では、40~50代の重症者が増えると予測するが、現状はどうなのか。
50代の重症者について、東海大医学部付属病院高度救命救急センター(神奈川県伊勢原市)の守田誠司所長は「基礎疾患の有無は現状では半々程度だ。医療者側が対応に慣れてきたこともあり、救命率は上がっている気がするが、回復の速度は変化がないかもしれない」と説明する。
東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は「50代の場合は高血圧や肥満など合併症の少ない基礎疾患を持っていることがある」とする。
14日公表時点の国内のワクチン総接種回数は6365万回に達した。いつの間にか先進7カ国(G7)でフランスやイタリア、カナダを上回っている。
高齢者の1回接種率が約78%、2回接種完了は約50%と半数を超えたが、全体の1回接種率は約31%、2回接種率が約19%というのが現状だ。
ワクチン接種はどの世代を優先すべきか。前出の守田氏は「ワクチンの供給が十分にあるなら、重症化しやすい40~50代を優先し、次に20~30代が妥当だと思う。十分でなければ20~30代優先も考えられる」と語った。
児玉氏は「感染拡大抑止を重視するなら10~30代だが、重症化や死亡リスクを考えれば、40~60代になる。年齢が高くなれば、重症者も多く治療期間が長くなる」と改めて強調した。