群馬県中之条町で昨年8月、自殺願望があったとされる川崎市多摩区の女性(当時48歳)が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われた住所不定、無職小船治被告(35)の裁判員裁判の第3回公判が14日、前橋地裁(水上周裁判長)であった。小船被告は被告人質問で「共犯の女が装っていた架空の人物が怖かった。自分に気の弱さがあった」と述べた。
小船被告は、共謀した埼玉県久喜市、無職山本結子被告(31)がいずれもSNS上で装っていた架空の女性「
実
(みのり)」とその父親の指示に従っていたことが、これまでの公判で明らかになっている。
弁護側によると、小船被告は当初の接見で「実」の存在を明らかにしなかったものの、検察の取り調べで正体を告げられ、「ショックを受けて真実を話そうと決めた」としている。
検察側から、山本被告の不審な点に気付かなかったのかを問われると、小船被告は「見覚えのないスマートフォンを持っていたり、女性からのメッセージを見ずに指示してきたりしたことは逮捕後におかしいと思った」と語った。
検察側や裁判官から、常識を逸する指示に従って女性の殺害を実行した理由を問われると、小船被告は「(結婚や仕事紹介という)うそを見抜けなかった。自分に問い詰めている」などと繰り返し、水上裁判長は「やってはいけないことの判断ができなかった理由は大事なので、よく考えるべきだ」と指摘した。