ワクチンデマ「不妊を引き起こす」はなぜ広がる? データ分析から見えた課題

新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ネット上では科学的根拠のないデマも飛び交っている。こうしたワクチンに関するデマの現状や対策について共有する「ワクチンデマ対策シンポジウム」(主催・一般社団法人セーファーインターネット協会)が7月15日、オンライン開催された。 ジャーナリストの古田大輔さんや国際大学GLOCOMの山口真一准教授が登壇し、メディアやプラットフォームに求められる対応などについて発表した。 ●一定の影響力を持つ「不妊」デマ 新型コロナワクチンには「マイクロチップ」や「劇薬」が含まれている。こんな荒唐無稽なワクチン言説が2021年3月、ツイッターに投稿された。古田さんはこうしたデマについて「影響力はそれほど大きいとは言えない」と指摘する。 一方、一定の影響力を持つものとして「コロナワクチンが不妊を引き起こす可能性がある」という言説をあげた。厚生労働省は「ワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません」と否定している。 なぜこの「不妊」デマが広がりやすいのか。古田さんによると「非常に関心が高い分野で、専門性が高く一般人は確認が難しく、情報量が多すぎて誰を信じていいか一般の人にはわかりにくい」ためだ。同じクラスタが何度も情報を拡散するため、なかなか消えていくこともないという。 「デマ」というと、意図的に偽造や改ざんがされた「偽情報(Disinformation)」や利益を得たり対象を貶めたりする目的で流す「不正情報(Malinfomation)」を思い浮かべる人が多いが、古田さんは「意図せずに誤った『誤情報(Misinformation)』も強い影響力を持ちうる」と指摘した。 また、ソーシャルメディア分析ツール「NetBase」で主にツイッターを中心に「コロナ ワクチン」に関する情報のポジティブ・ネガティブ分析をしたところ、月を追うごとにネガティブな反応が増えていることが分かった。具体的には「怖い」というワードが多く発信されていた。 こうした漠然とした恐怖が広がっている背景には、「ワクチン接種後女性死亡」「ワクチン接種後の死者が●人になった」といった情報が影響しているという。 「家族や知人が亡くなったなどのツイートや、ワクチン接種後の死者が何人といったニュースが、恐怖の共感を広げている。情報自体は間違っていなくても、ワクチンのせいで亡くなったという印象を与えてしまい、科学的な見地をかいたミスインフォメーションになる」(古田さん)
新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ネット上では科学的根拠のないデマも飛び交っている。こうしたワクチンに関するデマの現状や対策について共有する「ワクチンデマ対策シンポジウム」(主催・一般社団法人セーファーインターネット協会)が7月15日、オンライン開催された。
ジャーナリストの古田大輔さんや国際大学GLOCOMの山口真一准教授が登壇し、メディアやプラットフォームに求められる対応などについて発表した。
新型コロナワクチンには「マイクロチップ」や「劇薬」が含まれている。こんな荒唐無稽なワクチン言説が2021年3月、ツイッターに投稿された。古田さんはこうしたデマについて「影響力はそれほど大きいとは言えない」と指摘する。
一方、一定の影響力を持つものとして「コロナワクチンが不妊を引き起こす可能性がある」という言説をあげた。厚生労働省は「ワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はありません」と否定している。
なぜこの「不妊」デマが広がりやすいのか。古田さんによると「非常に関心が高い分野で、専門性が高く一般人は確認が難しく、情報量が多すぎて誰を信じていいか一般の人にはわかりにくい」ためだ。同じクラスタが何度も情報を拡散するため、なかなか消えていくこともないという。
「デマ」というと、意図的に偽造や改ざんがされた「偽情報(Disinformation)」や利益を得たり対象を貶めたりする目的で流す「不正情報(Malinfomation)」を思い浮かべる人が多いが、古田さんは「意図せずに誤った『誤情報(Misinformation)』も強い影響力を持ちうる」と指摘した。
また、ソーシャルメディア分析ツール「NetBase」で主にツイッターを中心に「コロナ ワクチン」に関する情報のポジティブ・ネガティブ分析をしたところ、月を追うごとにネガティブな反応が増えていることが分かった。具体的には「怖い」というワードが多く発信されていた。

こうした漠然とした恐怖が広がっている背景には、「ワクチン接種後女性死亡」「ワクチン接種後の死者が●人になった」といった情報が影響しているという。
「家族や知人が亡くなったなどのツイートや、ワクチン接種後の死者が何人といったニュースが、恐怖の共感を広げている。情報自体は間違っていなくても、ワクチンのせいで亡くなったという印象を与えてしまい、科学的な見地をかいたミスインフォメーションになる」(古田さん)