熱海土石流 川勝知事「規制条例は不十分」 改正の方針

静岡県熱海市伊豆山(いずさん)地区の土石流災害を受け、川勝平太知事は19日、県議会本会議で、崩落した盛り土造成を規制する県土採取規制条例について「不十分」と認め、厳しく改正する方針を明確にした。土石流の原因は「直接の原因は長雨蓄積型の豪雨だが、上流部で施工された盛り土の崩壊が被害を拡大させたと推測している」との見解を示した。【山田英之】
西原明美県議(自民改革会議)の質問に答えた。西原県議は他県よりも規制の緩い条例が改正されなかったことを指摘して「行政の怠慢と言わざるを得ない」とただした。川勝知事は「今回の災害発生を真摯(しんし)に受け止めると、現在の条例は十分なものではなかったと考えている」と認めた。
川勝知事は原因究明に関して「事実関係が明らかになった段階で、情報を全て公開し、第三者による検証をする。行政側の危険性の認識や対応が明らかになる」と説明。県は再発防止に向け、発生原因究明作業チームと行政手続き確認作業チームを設置しており、県条例よりも規制の厳しい三重県などの条例を参考に抜本的に条例の見直しをする。
本会議前の県議会全員協議会に出席した難波喬司副知事は盛り土造成に関係する県条例の問題点について、他県の条例より規制が弱い届け出制で、罰則も罰金20万円以下にとどまっている現状を説明。規制の厳しい他県の条例は許可制で、違反した場合、開発行為の中止を命令できる。罰則に懲役刑も盛り込まれている。難波副知事は法令を改正するだけでなく、実効性のある規制制度の必要性を訴えた。
一方、本会議の冒頭で川勝知事は土石流災害に触れて、「一刻も早い行方不明者の捜索、復旧、被災者の住まいの確保、生活再建に引き続き全力を挙げて取り組む」と述べた。県幹部職員と県議は議場で、犠牲者に黙とう。県議会は「県民に寄り添い、県と一体になって被災者の救援や被災地の復興、災害の発生防止に全力で取り組む」とする決議と国に支援を求める意見書を可決した。