自民党の稲田朋美・元防衛相=似顔=が独自色を強めている。今月、著書「強くて優しい国」(幻冬舎)を出版し、性的少数者(LGBT)の支援や女性活躍の推進を盛り込んだ。ただ、党内の保守派からは厳しい視線を向けられ、微妙な立場に置かれつつある。
稲田氏はかつて安倍前首相の「秘蔵っ子」として党政調会長や防衛相を歴任し、「次世代の保守派のリーダー」と目された。だが、最近では選択的夫婦別姓をめぐって旧姓を戸籍に併記する案を提唱したほか、LGBTに対する理解増進法案を国会提出しようとした。いずれも、保守派の反発が強いテーマだ。
19日に出版した著書では、憲法改正や「敵基地反撃能力」の必要性を訴える一方で、ひとり親家庭やLGBTの支援も掲げ、「『保守』とは多様性を認め、寛容ということだ」と訴えた。「20年後の自由で公平で豊かな日本を創るためにどんな重責でも担う覚悟がある」と首相への意欲もつづった。
そんな稲田氏に、安倍氏は距離を置くようになっている。5月と6月に月刊誌で「ポスト菅」候補として挙げた計7人の中に稲田氏の名前はなかった。