ロシア首相が北方領土上陸へ 安倍前首相の“ポエム演説”とは真逆の最悪展開に

2年前の安倍前首相の「ポエム演説」は一体、何だったのか。

ロシア政府は25日、ミシュスチン首相が26~29日に北方領土の択捉島を含む極東とシベリアを訪問すると発表した。

プーチン大統領は23日の安全保障会議で、ミシュスチン氏に対し、クリール諸島(北方領土と千島列島)の状況に「特別な注意を払うよう」求め、同氏が視察する可能性を示唆。ロシア首相による北方領土視察は2019年8月のメドベージェフ前首相以来2年ぶりで、昨年7月に領土割譲禁止を盛り込んだ改正憲法が発効してから初めてとなる。

政権ナンバー2の首相が訪れ、ロシアの実効支配を誇示すれば、日ロ関係に悪影響を与えるのは避けられず、日本の対ロ外交にとっても最悪の展開だろう。

こうした状況に対し、思い出されるのは、安倍前首相がプーチン大統領に語り掛けた言葉だ。2019年9月5日、ロシア・ウラジオストクで開かれた日露首脳会談と東方経済フォーラムの場で飛び出し、のちに「ポエム演説」と揶揄された発言だ。

「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」

「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」

当時、この言葉を聞いたプーチン大統領は素っ気ない態度で、薄笑いを浮かべていたが、やはり、今回の件でハッキリしたのは、安倍前首相とプーチン大統領が見ていた未来は全く異なっていたということだろう。

さらに言えば、野党時代の安倍前首相は12年10月31日の衆院本会議で、民主党政権をこう批判していた。

「外交無策の足元を見透かされる中で、韓国の李明博大統領やロシアのメドベージェフ大統領の我が国領土への不法上陸を許しました。これ以上、日本が諸外国から軽視され、国益を損なうことを見過ごす時間的余裕は、日本国民には残されてはいないんです。日本外交の再建のためには、まずは、日米同盟を再構築し、その揺るぎない信頼関係を内外に示すことが第一であります」

体調不良を理由に首相を辞任しながら、なぜか、最近は元気いっぱいの安倍前首相。リオ五輪の閉会式には、スーパーマリオに扮して訪日を呼び掛けたにもかかわらず、東京五輪の開会式は欠席するなど「逃げ足」の速さが注目されているが、まさか、ミシュスチン首相の北方領土上陸に対しても黙認して逃げるのではあるまいな。