さいたま市、ホームレスへのワクチン接種準備 本人確認など課題も

さいたま市は市内のホームレスへの新型コロナウイルスワクチン接種に向けた調査や準備を進めている。接種券の郵送ができないため民間団体に委託して意向調査を進めているが、市内にどれくらいのホームレスがいるかは正確な実態がつかめておらず、課題も多いという。【山越峰一郎】
埼玉県のまとめでは、県内には1月時点で計145人のホームレスが確認されており、さいたま市は29人と最も多い。市からホームレス支援事業を受託する県社会福祉士会によると、直近の数字としては市内に少なくとも50人いるとみられる。
同会が、このうち半数ほどから接種希望の有無を聞き取ったところ、5人が接種を希望し、18人が希望しなかった。希望しない人は「人と関わらないから」「副反応があっても誰にも気付かれない」などと理由を話しているという。
同会の担当者は「定住よりも荷物を持って転々としている人のほうが多く、把握できていない人もいるかもしれない。『ネットカフェ難民』は店舗の各部屋で聞いて回ることができず人数は分からないが、もっと多いのではないか」と話す。
同会は接種券がない場合の接種の受け方についてさいたま市がチラシを作成した後、ホームレスへ配布する予定。ネットカフェ難民については、市は運営会社に店内での掲示などを依頼する予定だ。
ただし、新型コロナウイルスワクチン対策室が多忙を極めることから、本人確認方法などの詳細は決まっていない。経済政策課によると、20年の特別定額給付金の際は、住民票がなければ登録してもらった。窓口払いを選んだ際は、国民健康保険に加入してもらい保険証で本人確認を行うなどして支給した実績があるという。