乗客乗員520人が亡くなった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から12日で36年を迎えるのを前に、墜落現場「御巣鷹(おすたか)の尾根」(群馬県上野村)で7日、一般の入山が解禁され、複数の遺族が慰霊登山に訪れた。
神奈川県鎌倉市から妻と訪れた島本喜照さん(65)は、事故で亡くなった父喜内(きない)さん(当時62歳)の銘標を目指して山道を登った。
あの日、島本さんは父と別の便で大阪に向かい、父が乗った日航123便は墜落した。「もしかしたら死んでいたのは自分だったかもしれない」。事故後は毎年欠かさず山に登り、近況を報告してきた。2年前、父の年齢を超した。「これが一番の親孝行ですかね」。そう言うと父が好んだビールを供え、「おやじ、乾杯」と語りかけた。
2019年の台風19号で登山道につながる村道が崩落し、復旧工事のため入山が規制されていた。解禁期間は22日まで。新型コロナウイルス感染対策のため、11~13日の入山は遺族に限定する。尾根の管理人、黒沢完一さん(78)は「この日に再開できるよう整備を進めた。久しぶりに山に線香のにおいが戻った」と話した。【川地隆史】