9月中旬に行われる内閣改造と自民党役員人事。安倍政権を支える3本柱の麻生副総理兼財務相、菅官房長官、二階幹事長は留任が濃厚とされてきたが、ここへ来て、二階氏の交代論が強まっているという。
二階氏は7月の参院選投開票日に早々と「安倍4選」に言及するなど、幹事長留任に並々ならぬ意欲を示してきていたが……。
「安倍首相が幹事長交代に傾いてきたというのです。今度の人事で安倍首相は『改憲シフト』を敷きたい。加えて、対韓強硬路線も強めたい。そうなると、改憲に積極的とは言えず、親韓派の二階さんでは都合が悪い。それに80歳という年齢もある。『お疲れさま』ということで、副総裁に就いてもらう線が濃厚です。そうした空気が伝わり、二階さんも交代を覚悟したようです。次の衆院選で三男に選挙区を譲る方向で舵を切ったといいます」(安倍首相に近い自民党関係者)
二階氏の地元の和歌山県では、今春の統一地方選で自民県議が3人も落選した。
参院議員の世耕経産相が二階氏の選挙区で衆院鞍替えを狙っているとされてもいる。そうした中で、二階氏は早めに息子への引き継ぎを進めようとしているようなのだ。
■今回も“アベ友”優遇が濃厚
そうなると、後任の幹事長は誰なのかだが、最有力として急浮上してきたのが、加藤勝信総務会長だ。
加藤氏は竹下派に所属し、安倍首相の出身派閥の細田派ではないが、安倍首相の母・洋子さんと加藤氏の義母・睦子さんが親しいことなどもあり安倍首相と親密で、事実上の“安倍派”とみられている。改憲をめぐっても安倍首相の意向に沿って動く可能性が高い。
「竹下派なら派閥会長の竹下亘さんが幹事長になってもおかしくなかったが、病気療養中なので難しい。ポスト安倍を狙っている岸田政調会長も参院選で自派閥の現職を4人も落とし、求心力低下が著しい。サプライズ人事として小泉進次郎という声もありますが、何の実績もないのにいきなりは無理」(自民党ベテラン議員)
閣僚人事では、甘利選対委員長の再入閣と茂木経済再生担当大臣の外相横滑りが囁かれている。いずれもアベ友。やはり今回もお友達優遇ということか。