東京都世田谷区を走行中の小田急線車内で乗客10人が包丁で切られるなどして重軽傷を負った事件で、川崎市の自称派遣社員、対馬悠介容疑者(36)(殺人未遂容疑で逮捕)が包丁を取り出して女子大学生(20)に切りかかるまでの間、周囲の乗客らが異変に気づいていなかったことが捜査関係者への取材でわかった。多くの人がスマートフォンを見ていたという。
捜査関係者によると、対馬容疑者は6日午後8時25分頃、登戸駅(川崎市)で快速急行(10両編成)の6号車に乗車。すぐに7号車に移動し、ドアの近くで車内の様子をうかがっていたが、同29分にトートバッグから包丁を取り出し、反対側のドア近くの席に座っていた女子大学生の前に歩み寄ると、いきなり胸を切りつけた。女子大学生と周囲の乗客らはこの間、スマートフォンの画面を見るなどしており、対馬容疑者が包丁を取り出したことに気づいていなかったという。
対馬容疑者は逃げようとする女子大学生の背中なども切りつけて重傷を負わせた上、包丁を振り回して周囲の乗客らにもけがを負わせた。その後、柄が外れた包丁を残して8号車に移動し、サラダ油をまいて火をつけようとしたという。
調べに対し、「電車は皆が油断しているので、大量に人を殺せると思った」と供述している。
事件を受け、警察庁は、鉄道事業者との連携を強化してテロなどの防止対策に万全を期すよう、7日付で都道府県警に指示した。