名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が今年3月に死亡した問題で、遺族の代理人が17日、ウィシュマさん死亡の経緯に関する公文書の大半が黒塗りの状態で開示されたと発表した。「これが行政として正しい姿か」と批判している。
東京都内で記者会見した指宿昭一弁護士らによると、開示されたのは、看守の勤務日誌や支援者らとの面会簿など1万5113枚。ウィシュマさんが収容された2020年8月から亡くなった21年3月6日までの関連文書や、施設内の監視カメラ映像の開示を入管側に求め、7月15日付で開示決定がされたという。
ただ、文書の大半は黒塗りで、監視カメラ映像は不開示とされた。指宿弁護士は「意味のある部分を黒塗りした紙ばかり。必要な資料を全て出すよう引き続き求めたい」と話した。
またこの日、在日外国人を支援する4団体も記者会見し、ウィシュマさんの死亡に関する出入国在留管理庁の最終報告書を批判する声明を発表した。
「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)は、報告書を「職員の対応を擁護するなど、真相解明を目指す真摯(しんし)な態度や反省を欠いている」と批判。入管庁から独立した「第三者委員会」によるウィシュマさん死亡の経緯の再調査や、監視カメラ映像の全てを遺族や代理人、国会議員などへ開示することを求めた。
「恣意(しい)的拘禁ネットワーク」など3団体は「ウィシュマさんの収容そのものが憲法や国際人権法にのっとっているかの検討を欠いている」などと指摘。収容の判断に、裁判所による司法審査を導入することが必須だなどと指摘した。【近松仁太郎、和田浩明】