「搬送困難事案」全国で3361件 8月9~15日、過去最多

新型コロナウイルスの感染拡大で、119番の救急患者の受け入れ先がすぐに見つからない「搬送困難事案」が今月9~15日の1週間で全国3361件(前週比16%増)あり、総務省消防庁が調査を始めた2020年4月以降、過去最多を更新した。このうち、発熱など新型コロナ感染が疑われる事案は半数を占めた。これまでの最多は「第3波」の3317件(1月11~17日)だった。
「搬送困難事案」は、救急隊が医療機関に患者の受け入れを4回以上要請し、現場に滞在する時間が30分以上かかったケース。同庁が県庁所在地など救急搬送者の多い全国52の消防本部を対象に調べ、毎週公表している。東京都1837件(前週比20%増)▽横浜市354件(同33%増)▽千葉市157件(同37%増)――など、首都圏での増加が顕著になっている。大阪市は240件で、前週から14%減った。
このうち、37度以上の発熱や呼吸困難を伴う「コロナ疑い事案」も過去最多を更新し、1679件(同21%増)となった。7週連続の増加となる。東京都は870件(前週比26%増)だった。
都内の救急指定病院の医師は「心苦しいが、コロナ以外の救急外来を維持するためには救急搬送を断らざるを得ない」と話す。医師によると、約80の病院から救急搬送を断られた患者を受け入れたケースもあるという。コロナ患者用にした一般の救急外来向け病床も既に埋まっている。医師は「今の状況は災害と同じ。感染者の絶対数が減らない限りはどうにもならない」と訴える。【神足俊輔、石田奈津子】