安倍晋三前首相が「1年延期」にこだわった理由をしれっと改ざん 東京五輪関係者が“責任逃れのラストスパート”をかけ始めた!

読売新聞に『膨らむ経費 しぼんだ収入』という記事がありました。東京五輪のおカネについての検証です。
次の数字が凄い。7340億円→1兆6440億円。これは…?
《昨年末に大会組織委が公表した予算案では、開催経費は夏季五輪史上最大の1兆6440億円。招致決定時には7340億円と見積もっていたが、1年延期に伴う追加費用や感染対策などもあり、倍以上に膨らんだ。》(8月13日)
膨らんだなぁ。コンパクト五輪とは何だったのか。
五輪経費問題を「RIZAP」のCMで見せたら
そういえば「 文春オンライン 」の取材で、首相のブレーンでオリパラ事務局の最高責任者である内閣官房参与・平田竹男氏が「RIZAP GOLF」でゴルフレッスンを無料で受けていたことが判明。その金額は推定457万3800円。
RIZAPは平田氏が事務局長を務めるオリパラ事務局が主導する「beyond2020マイベストプログラム」の認定を受けていた。つまり平田氏とRIZAPは利害関係にある。
RIZAPと仲良くするなら、五輪経費問題もあのCMで見せたらわかりやすいのではないか? 最初はスリムだったけどブクブクに膨らんだ東京五輪師匠。その逆バージョンは衝撃に違いない。
逆バージョンといえば菅首相の「これが最後の緊急事態宣言」という言葉も、何回もダイエットにチャレンジしたけどすぐに油断してリバウンドする感じに似ています。
さらに注目すべきは、RIZAP報道を受けて内閣官房参与・平田竹男氏が退職したことです。理由を公に言わぬままに。
この逃げっぷり、東京五輪関係者のラストスパートなのだろうか。というのも嫌な予感がするからです。
《組織委は都、国、民間などからの寄り合い所帯で、来年夏をめどに解散する予定とされる。》(朝日新聞デジタル8月11日)
組織委の支出の検証は必須だが、その仕組みは不十分なまま。記事によれば、各職員は退職する時に「業務報告書」を作成し、連絡先や業務を引き継ぐ。しかしこれらの文書を組織委の解散後どこで管理するのか、情報公開の対象になるのかなど現時点であいまいだという。
《1998年長野冬季五輪では、誘致の際の買収疑惑が浮上したが、調査の過程で帳簿類がひそかに焼却処分されたことが露見した。》(同)
責任逃れのラストスパートをかけるエライ人たち
五輪はまだ終わっていない。大会にかかった費用が明らかにされるまでが東京五輪である。しかしRIZAPでの接待ゴルフ代が話題になった途端に逃げるエラい人を見ていると、これは逃げの始まりではないかと思ってしまう。
責任をあいまいにしているといえばこんな事実も。
『政策決定の核心は「ブラックボックス」 「5大臣会合」「連絡会議」議事録なく検証もできず…』(東京新聞web8月6日)
どのような議論がされているのか見えない。このままだと「2020年からのパンデミック」で政治家がどんな決断をしたのか将来の検証が難しい。未来の日本国民に迷惑をかけてしまう。政治家はそれでよいのだろうか。
実は、エラい人がしれっとごまかしている例は最近も確認できた。
読売新聞の「東京五輪・パラ 語る」というインタビュー企画。その第1回に安倍晋三前首相が登場。「1年延期」を決めた理由を次のように語っていた。
《2年延期論や中止論も取り沙汰された中で、日本は新型コロナに伴う緊急事態宣言などで、感染者数や重症者数を相当少なく抑え込むことが出来るだろうと判断し、「1年延期すれば何とかなる」と開催を決めました。》(7月30日)
あれ…?
昨年の新聞を読み返してみると…
「1年延期」を伝える昨年3月25日の新聞一面を見てみよう。
《首相は「今後、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催するためにIOCと緊密に連携していく」と訴えた。》(日本経済新聞)
では「2年延期」ではなく「1年」の根拠とは?
昨年、森喜朗氏がこんな証言をしていた。『森会長が語る舞台裏 「なぜ1年」問われ首相は断言した』から抜粋する(朝日新聞デジタル2020年4月1日)。
森氏は安倍氏に「2年延ばした方がいいのではないですか」と言ったが、
《安倍首相は「日本の技術力は落ちていない。ワクチンができる。大丈夫です」と応じたという。》(同)
2021年の夏には国産のワクチンができているという判断。しかし最近のインタビューで安倍氏は「緊急事態宣言などで、感染者数や重症者数を相当少なく抑え込むことが出来るだろうと判断」したと言っている。しれっと変えているのだ。その判断も実際には五輪開催時に感染爆発したので外れたことになるのだが…。
昨年の記事に戻ろう。読売新聞は、安倍氏が「2年延期」ではなく「1年」を選択したのは、
《自身の自民党総裁任期が「来年9月末まで」であることとの関連を指摘する向きもある。》(2020年3月25日)
と伝えている。2年延期だと総裁、総理として五輪は迎えられない。1年延期なら可能だ。安倍氏自身の政治的な思惑のためという解説はこのあと各紙で報じられた。
おしゃべり森喜朗もたまには役に立つ
再び、今年7月に読売新聞に掲載されたインタビュー企画を読んでみよう。
安倍氏は「首相在任中の開催にはそれほど、こだわりはなかったです。」と述べている(2021年7月30日)。
ところがこの3日後に登場した森喜朗氏(第3回・2021年8月2日)は何と言ったか。
《新型コロナウイルスの感染が拡大した時、「コロナに打ち勝ってオリンピックを成功させる」と、(当時の首相の)安倍さんは言いました。だから大会を1年延ばしました。あのとき、私は安倍さんと2人きりで会って、延期は「2年でどうですか」と言ったが、「それは駄目」と言われた。私も、1年あれば大丈夫だなと思いました。日本の科学技術を信頼しようと考えたからです。》
ああ、1年前の記事を調べるまでもなく、森氏は安倍氏の言葉をひっくり返す形となっていた。同じ企画で3日後に。
こうして新聞記事を読み比べるだけでも「歴史修正」「改ざん」がおこなわれているのがわかる。権力者は隙あらばすっとぼけるようだ。
だからこそ記録を残すのは大切です。
どうしても公文書や議事録が無い場合は、森喜朗先生を気分良くさせてペラペラしゃべらすのはいいかも。おしゃべり森喜朗も有益な場合がある。
(プチ鹿島)