富山市の小中学校や保育施設で6月に発生した集団食中毒で、原因となった牛乳を製造した内田乳業(富山市四方)の内田喜夫社長は19日、被害を受けた約20の施設を来週から謝罪のため訪問すると明らかにした。当初は今月にも謝罪集会の開催を予定していたが、新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて中止し、おわび状を持参し直接謝罪することにしたという。
同市保健所によると、最終的な患者数は小中学校、保育所、幼稚園、特別支援学校計25カ所の1896人。保健所は食品衛生法に基づき、同社を営業禁止処分としたが、その後工場内の機器類改善など再発防止策が講じられたとして今月2日に処分を解除した。内田社長によると、謝罪先で被害状況などを改めて調査し、賠償内容を検討するという。
一方、同市教委は2学期以降、同社の牛乳を小中学校の給食で提供しないことを決めた。同社の牛乳を提供していた学校は、別業者の製品に換える。また学校給食が始まる前の今月26、27日には、被害を受けた15校を職員が訪問し、給食調理場の温度管理や冷蔵施設点検など衛生管理状況を確認することも明らかにした。
牛乳を飲むこと自体に不安を感じる子供には、必要に応じて臨床心理士が相談に応じるほか、どうしても飲めない場合は牛乳を残すことも認めるという。【青山郁子】