新型コロナウイルスに感染した自宅療養者らが容体悪化により119番通報したにもかかわらず救急搬送されなかったケースが、今月9~15日に東京都内で前週(2~8日)比約1・5倍の1414件に上ることが関係者への取材で判明した。病床の逼迫(ひっぱく)により医療機関に受け入れられなかったケースが増えているとみられる。
関係者によると、東京消防庁管内では9~15日、陽性患者の救急搬送要請が2259件あったが、うち6割以上が保健所の判断により自宅などでの療養継続となり、搬送されなかった。受け入れ先の医療機関が見つからないほか、症状が比較的軽いケースもあったとみられる。不搬送は、7月5~11日(27件)比で50倍超と大幅に増えている。
最終的に搬送された場合も受け入れ先が簡単に見つからず、通報から医療機関への到着までに時間がかかっている。今月9~15日に救急搬送した845件のうち、「5時間以上」は前週比2・3倍(同69件増)の121件だった。「3時間以上5時間未満」159件(同60件増)▽「1時間以上3時間未満」461件(同17件減)▽「1時間未満」104件(同24件増)――だった。【鈴木拓也】