地域住民「トラブル聞いたことない」 茨城境町夫婦殺害 驚く住民

「助けて」――。のどかな田園地帯に助けを求める声が響いた。23日未明、茨城県境町で一家5人が暮らす住宅で起きた殺傷事件。地域住民は「夫婦や一家にトラブルなんて聞いたことがない」と口をそろえる。「なぜ」「現実のこととは思えない」。地域住民は恐怖に震えた。【鈴木加代子、川崎健、宮田哲】
県警によると、会社員、小林光則さん(48)と妻のパート従業員、美和さん(50)は2階の寝室にいたところを刃物で切られ殺害されたとみられる。犯人は同じ2階にいた子どもにも襲いかかり、長男が切りつけられ、次女はスプレーを吹き付けられた。
「朝のニュースで知って、えーっと驚いた。犯人がまだ捕まっていないのが恐ろしい」。近所に住む女性(59)は声を震わせた。女性は23日午前1時ごろにサイレンの音を聞いて不審に感じていたという。
小林さん方は、地区内の班長を務めていた。同じ班の女性(69)は「美和さんは連絡を回す時もメモをきちんと書いてくれて、きちょうめんな人だった」と話す。美和さんに最後に会ったのは今月14日、一緒に公民館の掃除をした時で「張り切って掃除をしていた。普段と何ら変わりはなかった」と声を詰まらせた。
一家について「長男が野球チームに所属していて、その試合を夫婦で見に行くような仲の良い夫婦だった。そんな夫婦が殺されるなんてうそのようだ」と衝撃を受けた様子だった。
近所に住む30代の女性は「学校の運動会の応援では、観客の後ろの方でテントを張って応援しており、控えめなご家族という印象だった。亡くなるなんて、今も現実のこととは思えません」と話した。
妻の美和さんがパートで勤めていた茨城県坂東市の郵便局で上司だったという男性(57)は「物静かな人で黙々と一生懸命仕事をしていた」と話した。体調が悪くても、病院で点滴治療を受けてから出勤したこともあるという。
かつてこの家には美和さんの両親が住んでいた。近くには沼を整備した釣り堀が広がり、美和さんの両親はかつて自宅付近でコイの釣り堀を営んでいたという。