感染妊婦出産し新生児死亡、病床「実質的に満床」…コロナ以外でも受け入れ制限

新型コロナウイルスに感染後、入院先が見つからなかった千葉県柏市の30歳代の妊婦が自宅で出産し、新生児が亡くなるという痛ましい事案が19日、明らかになった。県内の病床使用率は約8割で、「実質的に満床」(熊谷知事)の状態が続く。新型コロナ以外の救急搬送も受け入れ制限が始まり、このままでは必要な医療を受けられずに死亡するケースが再び起きかねない事態に至っている。
柏市によると、妊婦は妊娠29週で、11日に感染が判明し、14日に中等症レベルと判断された。保健所などが15日から入院先を探したが、17日夕に陣痛を訴えてからも、入院先は見つからなかった。
県によると、18日時点の病床使用率は78・7%で、重症者用も78・4%に上っている。数値上は若干の空きがあるように見えるが、受け入れ態勢の実情としては、退院する人がいなければ、新たな入院はできない状態だという。
19日に記者会見した柏市保健所の担当者は、「入院がそもそも難しい上に、妊婦では(受け入れが)余計に難しくなった」と説明した。熊谷知事も同日の定例記者会見で「この妊婦の方も含めて、入院すべき方が入院できない状況を重く受け止めている。感染拡大のスピードがあまりに速く、現場は限界を超えている」と述べた。
直近1週間の新規感染者の平均は、18日時点で1日当たり1339・6人と前週の1・37倍に増えた。治療が必要な人のうち、入院している人の割合を示す「入院率」は9・2%にとどまる。中等症患者は7月5日時点の81人から、今月18日時点で501人に急増しており、入院できていない人も、一定数いるとみられる。
今月中旬には、自宅療養中の死亡が相次いで確認された。9日から保健所が入院先を探していた60歳代の男性は、受け入れ先が見つからないまま13日に亡くなった。30歳代の男性は、感染確認後に呼吸苦を訴えて救急搬送されたが、自宅療養に戻され、その後の再検査を経て入院できたものの、10日に亡くなった。
新型コロナ以外の病気やけがでの救急搬送も、既に受け入れ制限が始まっている。