アフガン“邦人救出”に向け、政府が自衛隊機派遣へ 過去にも複数の派遣事例、任務の命運を握るカギとは

イスラム原理主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガニスタンに残る邦人の国外退避に向けて、政府は自衛隊機を現地に派遣する方針を固めた。23日に国家安全保障会議(NSC)を開いて正式決定し、同日夜にも自衛隊輸送機が現地に飛び立つことになる。過去にも複数の派遣事例があるが、一刻の猶予も許さない事態の中、今回の任務では何が命運を握るのか。
関係者によると、自衛隊機で国外退避するのは国際機関に勤める邦人のほか、在アフガン日本大使館や国際協力機構(JICA)で働いていた現地スタッフと家族ら。スタッフは大使館、JICAともそれぞれ数十人程度が現地に残っており、本人の希望を踏まえ対応する。退避先は中東のカタールとする方向で検討しており、政府は職員を派遣し、調整に当たる。
日本大使館の邦人職員12人は、すでに第三国の軍用機でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに退避した。大使館は15日に一時閉館し、トルコのイスタンブールに臨時事務所を設置している。
自衛隊法では外国での騒乱など緊急事態に際して在外邦人の保護・輸送ができると定めている。
これまでにも2004年のイラクの邦人人質事件、13年のアルジェリアの邦人人質事件、16年のバングラデシュのダッカ襲撃テロ事件に関連して邦人や遺体を自衛隊機で運んだ。16年7月には南スーダンの情勢悪化を受けて航空自衛隊のC130輸送機が大使館職員4人を首都ジュバからジブチまで運んでいる。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は、今回の方針について「人道上正しく、当然の判断だ。邦人はもちろん、現地スタッフはアフガンの協力者だ。救出に動かなければ、『日本に見捨てられた』というレッテルを貼られてしまうだろう」と指摘する。
しかし、アフガンの状況を踏まえると、決して簡単なミッションとはいえないのではないか。世良氏はこう続ける。
「米軍が警備を続けているうちは、空港内はある程度安全が確保されているだろう。一方、カブール市内から空港に向かうまでの安全はコントロールできない。現地スタッフらが無事に空港までたどり着くことが任務の鍵になる」