妊婦の優先接種、各地で広がる…「デルタ株」で感染拡大・都内3・4倍に

妊婦に、新型コロナウイルスワクチンを優先的に接種する取り組みが、各地で始まっている。若い世代が接種を希望しても予約が取りづらい現状を見直し、妊婦の感染や重症化を防ぐのが狙い。千葉県で新型コロナに感染した妊婦が入院できず自宅で早産し、新生児が死亡した問題を受け、さらに広がる見通しだ。
年間3000件のお産を扱ってきた愛育病院(東京都港区)は25日から、同病院を受診中の妊婦やパートナーを対象にワクチンの接種を始める。重症化リスクが高いとされる妊娠後期の妊婦を優先する。
大阪府寝屋川市は13日から、妊婦の接種申し込みを優先的に受け付けている。静岡県富士市は、妊婦とパートナーの優先受け付けを21日に始めた。兵庫県姫路市も妊婦の優先受け付けを調整しており、多くの自治体で実施の検討が進む。
背景には、米疾病対策センター(CDC)が11日、妊婦の接種に関する見解を「個人の判断による」から「推奨」に切り替えたことがある。流産のリスクは高くならないとする研究結果を踏まえた修正だという。これを受け、日本産科婦人科学会も14日付で、妊娠時期を問わず接種を勧める声明を発表した。
感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の広がりで、感染する妊婦が増えていることも影響している。日本産婦人科医会によると、東京都内で7月に感染が判明した妊婦は98人と前月の3・4倍で、過去最多だった。
愛育病院を運営する母子愛育会の中林正雄総合母子保健センター所長は「病床

逼迫
(ひっぱく)の影響で、重症化した妊婦の受け入れ先を見つけるのが難しくなっている。接種により重症化を防ぐことが重要だ」と話している。