横浜市長選、小此木八郎氏惨敗で政界引退…求心力低下「菅降ろし」加速

任期満了に伴う横浜市長選は22日に投開票され、立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)が、前国家公安委員長の小此木八郎氏(56)ら7人を破り、初当選した。投票率は49・05%で、前回2017年を11・84ポイント上回った。当初は混戦も予想されたが、投票が締め切られた午後8時と同時に当選確実が出る圧勝。小此木氏を全面支援した菅義偉首相にとっては大打撃で、秋に行われる自民党総裁選、次期衆院選を前に求心力の低下は必至だ。
史上最多の8人が乱立し、告示前にはどの候補も法定得票数(有効投票総数の4分の1)に届かない再選挙もうわさされていた横浜市長選は、あっけない“電撃決着”に終わった。
早々に敗北が決定した小此木氏は、午後8時16分に事務所に姿を見せ「すみませんでした」と深々と頭を下げた。「みなさんありがとうございました。感謝の言葉しかございません」と「感謝」の2文字を何度も口にした。今後の政治活動については「もう選挙には立候補しない。どのような形で横浜に貢献できるのか考えたい」と語り、政界引退を表明した。
最有力候補とみられながら票を伸ばせなかったのは、新型コロナウイルスの爆発的感染拡大が原因とみられる。組織力に勝る陣営は、告示前は情勢を楽観視。だが、告示日以降に神奈川県、横浜市の新規感染者数は急増し、有権者の目はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非から「コロナ対策をどうするか」に向けられた。
政府のコロナ対策への不信感が高まる中、菅氏の支援を受けることでかえって政府への不満が小此木氏にも向けられ、首相の介入は裏目に出た。小此木氏によると、菅氏にショートメールで「ありがとうございます」と伝えたところ、「ご苦労さまです」との返事が来たという。
その菅氏にとっては、昨年9月の首相就任以降に行われた与野党対決の知事選や4月の衆参3選挙、議席数を伸ばせなかった7月の東京都議選に続く敗北。しかも、地元の「負けてはいけない選挙」で惨敗したダメージは大きい。
選挙に弱いことを露呈したことで、衆院選を菅氏で戦えるのかとの声が既に自民党内では噴き出している。中堅からは「衆院選の『顔』としてダメ出しされた。先に総裁選を行って、党をアピールしないと衆院選を戦えない」との悲観論も出た。
菅氏はもともと、衆院を解散して選挙を戦った後、総裁選で無投票再選を果たすシナリオを描いていたが、緊急事態宣言の延長で日程的に「解散先行」は困難に。加えて、この日の敗北により総裁選での「菅降ろし」の動きも活発化しそうで、週明けから政局は一気に混迷の度を増しそうだ。