京都市が発表した2020年度決算(速報値)によると、一般会計の実質収支は3億円のマイナスと11年ぶりに赤字となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、市税収入が4年ぶりに減収となったことなどが響いた。門川大作市長は「元々厳しい財政状況だったが、コロナ禍で一層厳しさを増している」と危機感をあらわにした。【添島香苗】
一般会計は、国の交付金などで約3300億円の新型コロナウイルス対策を実施したため、歳入・歳出とも過去最大となった。
歳入総額は1兆648億円で、市税収入は2959億円と19年度より96億円(3・1%)の減。特に18年10月に導入した宿泊税は、コロナ禍による観光客の激減で、19年度より29億円(69・3%)の大幅減となる13億円。地方交付税が859億円と、19年度より71億円(7・6%)減ったことも響いた。
一方、歳出総額は1兆746億円。社会福祉関連経費は2790億円と19年度より94億円(3・5%)増え、20年連続での増額となった。
歳入から歳出を引いた20年度の収支は、21年度への繰り越し財源74億円を別に確保すると、財源対策をする前は172億円の赤字。そのため、将来の借金返済に備える「公債償還基金」を119億円取り崩すなどの対応をしたが、赤字は解消されなかった。赤字額、取り崩し額とも、取り崩しを始めた05年度以降で最大となった。
市の収支は見かけ上、黒字を維持してきた。公債償還基金を計画外に取り崩し、歳入不足を補(ほてん)してきたためで、実際には赤字が慢性化。計画外の取り崩しは負担の先送りとなるため「禁じ手」とされる。
門川市長は4日の記者会見で「責任を改めて痛感している。この状態を赤裸々に市民に説明し、持続可能な財政への道を切り開くのが使命だと考えている」と述べた。市は財政の立て直しを目的とした「行財政改革計画」を策定している。