緊急事態宣言、政府が8道県の追加を決定…「まん延防止」は計12県に拡大

政府は25日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、北海道など8道県への緊急事態宣言の発令と、高知など4県への「まん延防止等重点措置」の適用を決めた。宣言は計21都道府県、重点措置は計12県となり、全都道府県の7割に広がる。期間はいずれも27日から9月12日まで。対象地域には、病床確保などの医療提供体制の強化を求める。
菅首相は対策本部で、インド由来の変異ウイルス「デルタ株」について「感染力は非常に強く、この危機を乗り越えていくため、国民のさらなる協力が必要だ」と訴えた。
新たな宣言対象は北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県。新規感染者数が宣言の目安となる「ステージ4」にあたり、病床使用率も高まっている。
これら8道県には、すでに重点措置が適用されている。うち宮城、岐阜、三重、岡山、広島の5県は20日から重点措置の適用が始まったばかりだ。「感染が急速に拡大し、医療提供体制も急速に厳しさを増している」(加藤官房長官)として宣言に切り替えた。
重点措置に追加された地域は高知、佐賀、長崎、宮崎の4県。いずれも新規感染者数が増加傾向にある。
今回の基本的対処方針では、医療の

逼迫
(ひっぱく)を避けるため、臨時医療施設の活用を打ち出した。臨時医療施設は全国19か所に設置済みで、さらに増やす。妊婦の感染に対応できる医療機関を各地で確保するほか、感染者に酸素を投与できる療養施設も拡大する。
軽症・中等症患者向けの抗体カクテル療法では、1400の医療機関で計1万人に投与している。新たに、投与後の経過観察ができることを条件に外来診療も認める。自宅療養中の感染者らに投与しやすくなる。
新学期に合わせ、全国の幼稚園、小中学校に最大80万回分の抗原検査キットを9月上旬から配る。子どものクラスター(感染集団)を防ぐためだ。教職員のワクチン接種も優先的に進める。
新たな宣言や重点措置の対象地域では、大規模商業施設への人数制限や、混雑した場所への外出半減、出勤者の7割削減などの新型コロナ対策に取り組む。

8月27日以降、緊急事態措置区域として茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県、沖縄県に加え、北海道、宮城県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、岡山県、広島県を追加し、実施期間を9月12日までの17日間とする。
まん延防止等重点措置は高知県、佐賀県、長崎県、宮崎県を追加し、実施期間を9月12日までとする。
緊急事態措置区域と重点措置区域においては、臨時の医療施設等の活用も含め医療提供体制の確保に全力をあげて取り組む。政府は、中学校、小学校、幼稚園などに対して、最大約80万回分の抗原簡易キットの配布を9月上旬に開始する。
入院待機施設(いわゆる入院待機ステーションや酸素ステーション)の整備や酸素濃縮装置の確保を進める。都道府県は妊婦などの特別な配慮が必要な患者を含め、必要な場合に確実に入院につなげられる体制を整備する。
(抗体カクテル療法と呼ばれる)カシリビマブ・イムデビマブについては、投与後の観察体制の確保など一定の要件を満たした医療機関による外来投与の実施に取り組む。