鶏卵汚職 贈賄の「アキタフーズ」元代表に懲役1年8月求刑

元農相で元衆院議員の吉川貴盛被告(70)=収賄罪で公判中=に現金計500万円を渡したなどとして、贈賄罪などに問われた大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」(広島県福山市)グループ元代表の秋田善祺(よしき)被告(87)に対し、東京地検は25日、東京地裁(向井香津子裁判長)の公判で「農林水産行政に対する国民の信頼を失墜させた」として、懲役1年8月を求刑した。弁護側は最終弁論で執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は10月6日。
検察側は論告で、国際獣疫事務局が2018年9月、家畜をストレスのない状態で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」を巡り、日本に厳しい国際基準案を示したことから、秋田元代表は吉川元農相に農水省として反対意見を取りまとめることなどを期待したと指摘。18年11月~19年8月に大臣室などで計500万円を渡したとした。
現金提供後には養鶏業者、農水省、国会議員による緊急陳情会議が開かれるなど「前例のないような便宜供与が行われた」と強調。上着のポケットにねじ込むように現金を渡していることなどから「手口は手慣れたもので、大胆かつ巧妙に実行された」と批判した。
弁護側は、吉川元農相の大臣在任前後にも盆暮れのあいさつなどで計11回現金を渡していたことから、「前例にならって不用意に渡してしまった。悪質性が顕著とは言いがたい」と主張。現金提供は業界全体の利益実現のためだったと訴えた。秋田元代表は最終意見陳述で「消費者のためと行動してきたが、非常に反省している」と陳謝した。
吉川元農相は今月3日の初公判で現金を受け取ったことは認めたが「いずれも政治献金と受け止めていた」と無罪を主張している。【遠藤浩二】