東京都は28日、渋谷区にある若者向けの新型コロナウイルスワクチン接種会場で、対象者を抽選で決める運用を始めた。先着順だった前日は行列ができてしまい、急きょ方式を改めたものの、この日も週末とあって受け付け前に2000人以上の長蛇の列となり、抽選倍率も6倍超。現場は再び混乱した。
都は都内在住か在勤・在学の16~39歳が「予約なし」で接種できるとして、27日にJR渋谷駅近くの区立勤労福祉会館に会場を開設。同日は受け付け開始前から若者が殺到し、先着順に整理券を配って約300人に接種した。
28日は、午前9時~10時半に来場者全員に抽選券を配り、ツイッターなどで当選者を発表する方式に改め、密集を回避しようとした。ところが午前7時時点で約100人が並び、最終的には1キロほど離れたJR原宿駅近くまで列が延びた。このため、前倒しして40分早い午前8時20分から2226人に抽選券を配布し、抽選で354人が接種を受けられることになった。
ワクチンを打てた埼玉県鴻巣市の男性会社員(25)は、地元の大規模会場で予約できず駆けつけたという。会場周辺で人の流れを作ってしまうことを疑問に感じたといい、「ここに並ぶのは未接種で感染リスクの高い人ばかり。本来はなるべく移動せず、地元で打てる方がいい」と話した。
練馬区の会社員、奥秋知也さん(22)は「こんなに人が来ると予想しなかったのだろうが、打ちたくても打てない人がたくさんいる。ウェブ抽選にしたほうがいいのでは」と語った。
都の担当者は「抽選券がなくなると思った人がいたようだが、時間内なら全員に配るので早朝から並ばなくても大丈夫」と話している。29日以降も抽選制で300人程度に接種する。また、16~39歳について30日午前10時から予約を受け付ける都庁展望室など3カ所の大規模接種会場の利用も呼びかけている。【黒川晋史】