29日投開票の大阪府池田市長選で初当選した大阪維新の会公認で元市議の滝沢智子氏(40)が30日、初登庁した。前市長の冨田裕樹氏(45)が庁舎内に家庭用サウナを持ち込んだ問題などで辞職したことに伴う市長選で、冨田氏ら3氏を破った。府内で初の女性市長となる。滝沢氏は「市民の声を聞きながら、維新の改革を丁寧に進めたい」と決意を述べた。
午前9時、初登庁した滝沢氏は幹部職員らに拍手で出迎えられ、花束を手渡された。当選証書を受け取った後、報道陣の取材に応じ「市民の不信感も募った市政の混乱を収束させたい」と語った。
滝沢氏は冨田氏の市議時代の秘書を経て平成31年に維新から市議に初当選。市議を辞職して今回の市長選に出馬した。
「女性目線を期待されている」
滝沢氏が4人が立候補した混戦を制し、維新にとって初の女性首長誕生をもたらした。衆院選を控え、日本維新の会の勢いを占う試金石ともみられた選挙だけに、女性支持層拡大の足がかりにしたい考えだ。
「多くの女性の方から声をかけていただいた。女性目線を期待されていると感じた」。滝沢氏は選挙戦をこう振り返った。前回選挙で前市長の冨田氏を公認した維新に対して厳しい見方がある中で、滝沢氏の「母親目線、女性目線で市政改革を進める」との訴えは、維新支持層だけでなく浮動票も取り込んだ。
維新は当初、今回の市長選について「混乱を招いた責任がある」(松井一郎前代表)として、積極的に関与しない立場だった。だが代表の吉村洋文府知事は、無所属でも立候補の意向を示す滝沢氏の「市政を立て直す強い思い」を受け、一転して公認を決めた。
選挙期間中に維新副代表だった今井豊氏が週刊誌で違法な献金を受け取ったと報じられ、府議を辞職する逆風もあったが、吉村氏は投開票日前日に応援に入ってテコ入れ。「維新政治との決別」を訴えて自民党系市議らの支援を受けた元市議、渡辺千芳氏らを突き放した。
滝沢氏は大阪府内で、また維新公認としても初めての女性市長。これまで女性の支持をなかなか取り込めずにきた日本維新の会にとっては、衆院選への弾みとなりそうだ。維新関係者は「市長選の勝敗は(池田市を含む)大阪9区の戦いにつながる。勝てたことは大きい」と強調。現在、自民が議席を持つ9区での勝利に期待を込めた。(格清政典、清宮真一)