海自潜水艦「そうりゅう」当時の艦長を書類送検へ 高知沖で衝突事故

海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が2月、高知県沖で民間貨物船と衝突し、潜水艦の乗組員3人がけがをした事故で、第5管区海上保安本部(神戸市)は潜水艦の当時の2等海佐の男性艦長を、業務上過失往来危険と業務上過失傷害の疑いで高知地検に近く書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で判明した。
事故は2月8日午前11時ごろ、高知県足摺(あしずり)岬沖の南東約50キロで発生。訓練中だったそうりゅう(全長84メートル、全幅9・1メートル、基準排水量2950トン)が海中から浮上する際、鉄鉱石を積んだ香港船籍の貨物船「オーシャン アルテミス」(総トン数約5万トン)に衝突した。捜査関係者によると、元艦長は貨物船の接近に気付くのに遅れて衝突させ、乗組員3人に軽傷を負わせた疑いがあるという。
潜水艦を浮上させる際は潜望鏡やソナー(水中音波探知機)で周囲を確認する手順になっていた。「そうりゅう」は海自第1潜水隊群(広島県呉市)所属。【韓光勲】