勤務先店舗で療養の男性死亡、訪れた保健所「居住実態確認できない」と安否確認終了

新型コロナウイルスに感染した40歳代男性が、東京都杉並区内の勤務先のビル内店舗で療養中に死亡する問題があり、区側は7日、安否確認が不十分だったとして遺族側に謝罪した。
杉並区によると、男性は区外在住で、7月31日に感染が判明。杉並区内で療養するという届け出があり、杉並保健所は8月2~4日、男性の携帯電話に1日2回電話をかけた。しかし連絡は取れず、5日午後、届け出があった住所に職員が向かった。
その住所には、マンションと、男性が経営する店舗が入る雑居ビルがあり、職員はマンションだけを訪問。別の住民が居住していたことなどから、保健所は同日、「居住実態が確認できない」として安否確認を終了した。
ところが7日になって、男性が店舗内で死亡しているのを家族が発見した。死因は新型コロナ感染による肺炎だった。男性は家族に感染させないよう、勤務先での療養を決めたという。
その後、保健所が男性に関する記録を確認したところ、「杉並区内の店舗で療養」「持病あり」といった記述や、緊急連絡先(母親の電話番号)が書かれていたことが判明した。
区は再発防止のため、自宅療養者の発生届の記載事項はすべて印刷・確認し、24時間連絡がつかない場合は滞在先を訪問するよう見直した。
田中良区長は7日、「確認を尽くしておらず対応が不十分だった」として遺族に謝罪。読売新聞の取材に、「8月は特に保健所業務が

逼迫
(ひっぱく)していた。態勢を強化し、安否確認を確実に実施していく」と話した。