名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が3月に死亡した問題で、遺族側は10日、亡くなる前のウィシュマさんが映った施設内の監視カメラ映像を見るため、出入国在留管理庁を訪問した。だが、遺族側が求めた代理人弁護士の同席が認められず、視聴を取りやめた。
ウィシュマさんは2020年8月に名古屋入管に収容された。21年1月15日以降、体調不良を訴え、3月6日に亡くなった。
入管庁は遺族側の希望に配慮し、2月22日から3月6日までの監視カメラ映像を約2時間に編集して8月12日に開示した。だが、遺族側は途中でショックを受け、半分程度しか見ていなかった。入管庁がこの日に開示する予定だったのは、ウィシュマさんの亡くなる直前の映像だった。
代理人の指宿昭一弁護士は取材に「人道上の配慮で閲覧を認めるならば、同席を認めるべきだ。許しがたい対応だ」と述べた。
遺族側は編集前の映像の全面開示も求めているが、入管庁は応じていない。【近松仁太郎】